地獄と極楽～そこでの考え方と行動～
最近、地獄と極楽について解説した面白い本を偶然見つけました。その解説には色々と深い内容を含んでおり、一読に値すると思われるので、ここにご紹介いたします。
ある修行僧が、老師に「地獄とはどんな所ですか？」と尋ねた。そこで老師は次のように答えた。地獄には、直径が1メートルもあるような大きな釜にうどんが煮えている。食べるためには長さ1メートルもある長い箸を使うしかない。そのため、うどんをつかむことができても自分の口に入れることは容易ではない。そこにいる人達は、皆自分が真っ先に食べようと、狂ったようになり、しまいにはうどんは飛び散ってしまい、誰も食べることが出来なくて、騒がしく喧嘩している。
修行僧は「それでは、極楽とはどんな所ですか？」と尋ねた。老師は次のように答えた。実は極楽の環境は地獄とは同じなんだ。ただそこにいる人々は、うどんをあの長い箸でつまむと、釜の向こう側にいる人に「どうぞお先に召し上がってください」とすすめるのだ。相手は有難く受け取り、「ご馳走様でした。今度はあなたがどうぞ」とうどんをすすめているのだ。このようにして全員が美味しくうどんを食べることができるのだ。そしてその場ではなごやかで、明るい笑い声が満ち溢れているんだよ。以上のことは、現代の我々人間社会において自分中心の考えで生きていくか、それともお互いに思いやりをもって行動するか・・・色々と考えさせられますね。 (理事長 村田 忠)
