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11月 01

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シーズネット三重

私のこころの風景

“10歳で人生の岐路を感じた” 少女を育んだ山川

私は福岡県との県境に近い岩野村(現熊本県山鹿市)で生まれ、4姉妹と弟の5人姉弟の長女として過ごしました。家は林業、製材所もしていて工員さんが30人もいて山の木を伐採したり、植えたり、馬に引かせたり当時はとても活気がありました。

家と工場は国道3号線沿いの東栗瀬という集落にあり、魚屋さん、八百屋さん、肉屋さん、美容院、医院は徒歩10分以内に4件もありました。郵便局、役場も直ぐそこ、小学校もお隣のお隣さんでした。近くには川や集落があり、その向こうは山といったとても便利なのに自然がいっぱいの場所でした。みんな知り合いで、みんなに可愛がられ毎日を楽しく過ごしていたように思います。

学校が終わると家にカバンを置き、学校や川や友達の家に遊びに行き5時のサイレンが鳴ると、急いで家に帰って来ました。夕ご飯は祖父母と子供達は5時と決まっていました。それから父母、工員さん、お手伝いさん、そして山方さん馬方さんも加わり、夜遅く迄飲んだり食べたりで母は大忙しでした。

10歳のときに祖父母、父母待望の男の子が生まれました。それまで総領、跡継ぎと云われ、重かった肩の荷がすっかり軽くなり、『これから私は何をやってもいいんだ』という開放感に浸りました。最終的には何もせずに一生を終ろうとしていますが・・・。

前田 那尾

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