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10月 01

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会員の広場(2020.10)


俳句

秋の日や一点の雲山上湖
  鳥渡る北方領土雲に消え (川口 昭治)

短歌

ほをづきのバケツに溢ふる店先に
  立ちて彼(か)の日のにがき思ひ出 (本田 征子)

五行歌の会

携帯の画面を
  何度も何度も見る
何も届いていない
  寂しさが増す
ひとりなんだな~ (塚下健太郎)

雨を飲んだ
  紫陽花の青
露草の青
  ぽとり心に
青いしずく (寺島しのぶ)


川柳

首振れば透けて本音が軽い嘘
  不器用な一筆便箋が淋しそう (浜 正吉)

エッセイ

「98日間世界一周」 ―アラスカ― その3

船は最後の寄港地アラスカに入ってきた。

私たちの住んでいる札幌は北緯43度、北米の北にあるアラスカは北緯60度でかなり北極に近い。どんなに寒い所だろうと覚悟をしていたのに晴天が続き、複雑な海岸線を航行してヤクタットベイという湾に入った時の気温は何と25度。遠くの山々は白い雪に覆われ近くの島や海岸は針葉樹林となっている。

しかし異様なのは湾の中を大小の氷の塊が無数に流れていることであった。大きいのは直径数メートルから小さなかけら迄。いったいこれらの氷はどこから流れてくるのだろう。
と思う間もなく船はとある入り江に近づいた。

そこに巨大な氷の河が流れ込んでいて、高さ10メートル位の氷壁が海に出会うと轟音と共に水しぶきを揚げて崩れ落ちるのである。

それがあの無数の氷の塊の正体だった。

その中を2匹のラッコが浮いたり沈んだりして遊んでいて可愛いな、と眺めながらもこれが《地球温暖化》の結果である事に気がつく。壮大な氷河のドラマは人間たちに警鐘を鳴らしているのだ。

最近毎年のように日本を襲う集中豪雨、世界の各地に起こっている異常気象、これらは《地球温暖化》と無縁ではいられない。早急な対策が各国に求められているが私たち個人にできることは何だろう?

《98日間世界一周》の報告は言葉足らずで終わってしまいました。拙書「井の中の蛙大海を行く」(黒沢宏子著)を読んでいただければもっと旅を楽しんで貰えると思います。 (鈴木 宏子)
※< お詫びと訂正>
前月号(9月号)の「98日間世界一周その2」は広報部の手違いで、8月号の一部を掲載してしまいました。
改めまして「その3としてアラスカ編」を掲載致します。鈴木さんには心よりお詫び申し上げます。
「井の中の蛙大海を行く」(黒沢宏子著\1,000)ご希望の方はSMS(080-8629-7067)でご連絡下さい。


絵手紙

(江崎 弘子)

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