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10月 01

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岩見さんを偲ぶ

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

9月14日に4年ぶりのシーズネット祭りを開催することができました。2020年から3年間、コロナ禍のため中止していたシーズネット祭りでしたが、コロナが5類になったことはもとより関係者の「今年こそは」という強い気持ちが開催に結び付きました。当日は、悪天候にも拘わらず、200人近くの方が参加してくれたということで、関係者はじめ、参加された皆様に深甚なる感謝を申し上げます。

シーズネット祭りで様々なサークルが発表や展示、ブースを設けて賑わっている状況を見て、ここに岩見さんがいたらどんな感想を持ったのかなと考えておりました。すべては岩見さんが蒔いた種(seeds)で、それが「こんなにも大きなものになるとは」と思っているのかなとも感じますし、「いやいやこんなものではないだろう」と思っているのかもしれません。ともかく、岩見さんのご遺志はしっかりと受け継がれているのかなと、勝手ながら思っています。

シーズネットの創設者である岩見太市さんが天国に旅立って、この10月で10年を迎えます。シーズネットが設立した時の岩見さんは、小さな船の船頭さんでした。それが瞬く間に大きな船になり、パイロットとしてシーズネットの行く先を導いてくれました。ご逝去した今でも、シーズネットという大きな船の行く先を照らす灯台の役割を果たしてくれています。

岩見さんがシーズネット開設(2001年)にあたって掲げた「仲間づくり」、「居場所づくり」、「役割づくり」というスローガンは今も変わりなくシーズネットのパーパス(存在意義)です。厚生労働省が、急増する団塊世代の高齢者に介護予防や地域参画などを呼びかけるキャッチワードとして「居場所づくり」、「役割づくり」を掲げたのは2018年ですから、岩見さんの先駆性が際立ちます。

そしてシーズネットも、仲間づくり・居場所づくりとしてのサークルやサロン、教室などを運営し、役割づくりとして様々なボランティア活動などを展開してきました。ただ、岩見さんが、生前最後の著書「地域家族の時代」の中で語っていた社会貢献を見据えた活動となっているのかと問われると、岩見さんの叱咤激励が聞こえてきて「まだまだかなあ」とも感じてしまうのです。『シーズネットの目標は、健康なときだけではなく、体が弱くなり、虚弱になっても関わっていれば安心だ、という団体にすることです』(「地域家族の時代48頁より引用)。岩見さんが目指した団体にはまだまだ至っていませんが、これからも岩見さんの教えを振り返りながら、そのような団体を目指していきたいと、思いを新たにするシーズネット祭りでした。

さて、岩見さんのご逝去10周年にあたり、改めて岩見さんが我々に残した課題を振り返る機会を設けようと「岩見さんを偲ぶ会」を11月14日(火)の夕方に開催することとしました。詳細な時間・場所等は次号の通信でお知らせします。岩見さんを偲びつつ、これからのシーズネットのありようなども語る機会となればありがたいです。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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