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4月 01

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会員の広場(2019.4)


短歌勉強会

「ママゆるして お願いします」虐待で
 逝きし幼児のメモ書きかなし (中浜 敏明)

平成は我にとりても節目なり
 父母との別れ老の辛苦も (福栄真理子)

新春の空清みて翔ぶ片翼を
 失くした我の夢飛行かな (土橋 芳美)

うす氷川のながれの石の上
 鴨の親子が羽ふくらませ (斉藤 邦子)

我を見る臥せし夫の手温かし
 外は雪よと窓辺に誘う (瀧沢 いつ子)

久方に舗道は黒く整いて
 歩幅も広く脚はほどける (中山 寿子)


俳句

灯台へ延びる坂道木の芽雨
伏流の音の膨らむ啄木忌 (川口 昭治)

五行歌

雪どけ水
流れる音も
 春近し
 メロディ奏でる
 楽器のよう (西原 桂子)

 一生は
 光と蔭の
 小劇場
 切なさ感じ
 爪を切る (浜  正吉)


エッセイ

小樽オタモイ海岸

その海岸は、小樽の場末から、砂利道を徒歩で40分。塩谷へ向かう国道5号線を右へ折れるとそこからは、汗をふきふき1本道をひたすら歩く。
途中、中国風に建てられた唐門をくぐり、暫く歩くと海岸に降りる丘の上にたどり着く。そこからは、崖の下に広がる透明な青い海と水平線が一面に広がる。

私にとって少年の日の思い出が詰まった懐かしい場所だ。その名は、オタモイ海岸。ここから海岸までは、未舗装の道の七曲がりの下り坂、行きは一気に駆け降りる。遊んだ後の帰り道は、とてもつらい上り坂だった。
下り坂の終点には、駐車場がありこちらにも中華風の弁天閣という食堂がありそのそばの脇道を下ると、石浜の海水浴場に出る、少年達の遊び場だ。ウニやガンゼ、ツブ、ナマコなど潜らなくとも簡単に取れた。
それを生のままで海岸で食べるのが、子供たちにとっては、当たり前だった。脇道に折れずまっすぐ進むと、洞窟があり洞窟を抜けると右手の断崖の中腹に竜宮閣という竜宮城に似せた料亭が立っていた。2、3度見たことはあるが昭和27年に火事で焼けた。今は、その痕跡が、いくらかだが残っていると思う。

何故小樽にこの様な場所があるのか?昭和11年に一民間人が、小樽観光の起爆剤として、私費でオタモイ遊園地として建設した。他にも様々な遊戯施設がここには、あったらしい。当時の小樽は、裕福な街であり、多くの人々は本州、東北から一旗上げるために小樽を目指した。そして豪商が生れ、経済は活気にあふれ、北のウォール街がうまれた

札幌に暮らし始めた頃から、幾度か再訪問してみたが、いつも古色蒼然として昔のままのたたずまいだった。近年再見した際、驚いたことに洞窟、崖一面に鉄条網が張られているではないか! そばの看板には(落石、土砂崩れの恐れあり立ち入り禁止)の文字があり、オタモイ海岸は今、海側から観光船で見るのみとなり、わが思い出は、更に遠くなった。 (小林貴光)

「さ く ら」

3月初旬、伊豆方面では桜が満開とのニュースがあった。桜前線も北上を続け開花の待たれる季節となるが桜は日本人の誰もが春の花としての心を寄せる花であろうと思う。日本に自生した植物とされる桜が注目される様になったのは平安時代(1000年前)との事。その時代貴族が屋敷に桜を植えて愛でる様になり花を題材に数多くの唄が詠まれる様になったとの事です。江戸時代になると一般庶民も花見を楽しめるようになりなりました。

現在、日本にある桜の品種は300種以上と言われますが、全国の桜の7割以上は「ソメイヨシノ」で江戸末期に誕生したそうです。ソメイヨシノは一斉に咲き、一斉に散るのが特徴で、標本木として春を告げる役割も担っていますが、10年前の記事で、北海道の標本木としては北海道神宮境内にある樹齢80年~100年とも言われる樹で、明治8年に手稲山から移植した150本の「エゾヤマザクラ」が始まりとされています。手稲駅付近には10種類以上の桜が植えられて居り、桜はピンク、一重と八重位しか知識のなかった私はあわててパソコンを開いたものでした。以来私は毎年出かけて桜花を楽しんで居ます。軽川の桜はエゾヤマザクラ、ソメイヨシノ、南殿、フゲンゾウ、カスミザクラ、天の川、松月、ウスズミザクラ、関山、糸ククリ、千島桜、ウコン(黄色の花弁)等其々の樹に花の由来、形態などの説明札が付いており私の様な高齢でも休みながら少しの時間で楽しめるのが気に入って居ます。

只「3日見ぬ間の桜かな」とある通り最盛期に見たいと思うと見頃が毎日気になります。有名なお花見スポットも道内に沢山ありますが、私にとっては勝手に「隠れた桜の名所」として位置づけられて居ます。
皆さんも一度お花見如何でしょうか。ご案内しますよ(手稲駅から7~8分です)。 (宮岸 和子)

絵手紙

(肥田 町子)

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