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12月 01

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民間版ボランティアポイントに挑戦

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

シーズネットの理念として「仲間づくり・居場所づくり・役割づくり」という3つの「つくり」を掲げていて、それを基に活動してきていることは会員の皆様には十分にご承知のことと思う。2001年のシーズネット発足時からのスローガンであり、それらを通して「豊かなシニア人生を送ろう」というのが、初代代表の岩見さんが繰り返し語ってきたところでもある。近頃、国が高齢者の「役割づくり、居場所づくり」ということを盛んにアピールするようになってきている。背景には、人口減社会を迎える中でもっと高齢者に元気になって活躍してもらいたい、できれば働いて納税して、年金だけに頼らない生活をしてほしいという国の思惑が透けてみえるところではあるが。それにしても、17年も前にその必要性を説いた岩見さんの先見の明には脱帽する。

さて、その岩見さんが亡くなる前に「地域家族の時代」という本を上梓している。この本は岩見さんの実践してきたことの集大成ともいえる内容であり、シーズネットの活動の原点でもあるが、そこに私どもがまだまだ取り組めていない「役割づくり」のことが書かれているのでご紹介しよう。

『人は誰かの役に立ちたいと願い、存在を認められたいと思うものです。今までの職歴等を活かした社会活動、趣味活動を地域に還元する等で、仕事でも子育てでもない役割が地域の中にあることで、生きがいをもちながら地域の人とつながっていくことができます。(地域家族の時代)』と述べ、例として、民生委員、町内会、老人クラブ等の小地域活動、各種ボランティアやNPO活動、家事支援等の助け合い活動、市民後見人などを掲げている。

私どもは、改めて「役割づくり」の原点に立ち返り、会員の皆さんが社会参加、社会貢献できる仕組みを作りたいと模索してきた。そして、この度「民間版ボランティアポイント」という取り組みにチャレンジしたいと思っている。

ボランティアポイントというのは、多くの市町村が取り組んでいるものであるが、札幌市の場合は社会福祉法人の運営する高齢者の施設やデイサービスなどに行って短時間のボランティア(軽作業とか、趣味の活動を一緒にするなど)をすると、1回につき1ポイント貰え、50ポイントを上限に換金(1ポイント100円なので上限5000円)できるという仕組みである。

私どもは、民間としてこの仕組みを作り、札幌市が認めていないNPO法人や株式会社などの運営する施設などに派遣できないものかと企画を練っている。しかし課題は山積している。まず、事業に必要な換金の原資をどう集めるか。次に事務局の運営を担う人材の確保、そして実際にボランティアをやりたいという人を集めること、派遣してほしい施設などとのマッチングである。

原資は寄付金を募ることとし、事務局の人材はボランティアを募集することとした。寄付という行為によるボランティア、事務局を運営するというボランティア、実際に施設で活動するボランティアという3つの役割づくりの仕組みをなんとか整備して、チャレンジしたいと思う。まずは事務局ボランティアを募集することとした。ご興味のある方は同封のチラシを参照して、ぜひご応募いただきたい。

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