私のシニア人生
振り返ると80歳を超え、昨年とあまり変わらないなと感じることに少々戸惑う81歳の誕生日でした。漠然と残りの人生の可能性を時々思い浮かべる程度で、将来を深く考えるというより、大きな病気をせずに、毎日元気に、美味しく三食を戴けることは、大変にラッキーなことだと思うこの頃です。
昭和初期の職業別平均寿命の統計では、最も長命なのは宗教家（75.6歳）。悟りを開いて体にいい物を食べ規則正しい生活をなさる高僧が長命であることは無理からぬこと。次が実業家（73.2歳）。3番目が政治家（72.8歳）、4番目が医師（71.7歳）。意外に人の寿命というものは長くないものなんです。
ベスト4に続くのが、大学教授（67.7歳）、それに並ぶのが俳人です。俳人の次にくるのは歌人（66.9歳）です。そして芸術家（64.7歳）です。
60歳で定年退職したわが身は、20余年のおまけの人生です。
お花見はあと何回、梅雨は何時まで、暑い日は後何回等々考えると、残りの月日のわびしさ覚えるより先に、楽しみへの希望がこみあげてくるのが傘寿の感慨なのかと思えます。
杉山 勉
