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3月 01

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認定NPO法人という重み

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

先日、札幌市役所のNPOを監督する部署から「シーズネットの認定NPO法人の更新を認めました」という通知がありました。改めて身の引き締まる思いが湧いてきました。読者の皆さんの多くは多分「認定NPO法人ってよくわからない」、「どんなメリットがあるの」などと思っているのではないでしょうか。

「認定NPO法人とは、NPO法人のうち “特に公益性が高く、運営組織や事業活動が適正であると所轄庁(当法人の場合は札幌市)が認めた法人”のことです。認定NPO法人になると、税制上の優遇措置を受けることができます。認定NPO法人になるためには、寄付等の実績から広く市民から支持を受けている(パブリックサポートテストをクリアしている)、運営組織や経理、活動内容、情報公開などが適正に行われているなど、9つの認定基準をクリアしていれば認められます。なおパブリックサポートテストとは、寄付金の額、寄付者の人数等によって、どれだけ多くの市民に支えられているかを測るための基準です。」(札幌市「認定・指定NPO法人制度知っとくガイド」より)

要するに(1) 公益性が高い事業を行っていてしっかりと運営しており、(2) 寄付金をたくさんの方から集めている団体が認定NPO法人の条件で、メリットは税制上の優遇措置ということになります。税制上の優遇措置には、以下のようなものがあります。

  1. 収益事業以外の事業に支出した金額を寄付金とみなして損金として算入できる。
  2. 認定NPO法人に寄付した法人は、寄付金の損金算入限度額枠が拡大する。
  3. 認定NPO法人に寄付した個人は、所得税の負担・住民税の負担を軽減でき、また、現物資産の寄付、相続財産の寄付にかかる税金を免除できる。

シーズネットにとっては、1.が大きなメリットで、収益事業の収入を非収益事業(当然ながら赤字)の損金に「みなし寄付」で補填することができるので、法人税負担が少なくなります。2.と3.は寄付した側の特典ですが、シーズネットからすると寄付金を集めやすくなるというメリットがあります。また、認定NPO法人というステータスは社会的信用度のアップに繋がり、イベントの協賛やPR活動などが受け入れて貰いやすくなります。

現在、札幌市の認定NPO法人は17団体あり(ちなみに、すでに廃止された認定NPO法人も7団体あります)、札幌市にあるNPO法人は全体で1,230団体なので、認定NPO法人格を取得しているのは全体のわずか1.38%なのです。私たちは、この数字を重く受け止めなければならないと思います。認定NPO法人には公益性が高く求められておりますので、会員のみへの便宜供与はある程度制限がありますし、また、市民生活の利益になるような活動が求められます。シーズネットは「シニアが活き活きと活動する場づくり」を担ってきました。これは、今では国策レベルの課題となっていますが、この度の認定NPO法人更新にあたっては、札幌市から、市民の皆さんにそのような場と機会を与えられる団体であるとお墨付きをいただいたということでしょう。それを重く受け止めて、これからの活動を改めて皆様と考えていきたいと思います。

なお、そのような場の一つとして市民公開講座を2月28日に開催することとしましたので、多くの皆様のご来場をお待ちしております。

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