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3月 01

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会員の広場(2024.3)


短歌

はらりひとつ白き芍薬 地に舞ひて
 我にすべ無き兄は逝きまし (本田 征子)

暖かきカフェに寄れば楽しげに
 フランス語を話す若きらの声 (小西 和子)

投稿川柳

豆苗の生命力の味のよさ
 みつおの書人の心が生きている (田村 ノブ子)

年重ねしわの出始め丸く生き
 老鏡の鏡の表裏もある (浜 正吉)

投稿五行歌

AI開発者
 人間を苦しめるとは
つゆ知らず
 繰り返す人間の愚かさ
戦争に使われないこと祈る (ひろ)

凍てつく日
 暗きの中で
揺れ止まず
 まだまだ続く
能戸路は哀し (福栄眞理子)

エッセイ

文字の形が教えること ~「愛」について~

 私は以前こんな話を聞き、今も記憶に残っていることがあります。それは、文字の形には何か意味深いことがあります。例えば、「愛」の文字を分解してみると、「心」と「受」と{ノ}になります。ここで問題なのは「ノ」に意味があると言うのです。「愛」は「心」と「受」の組み合わせは当然としても「ノ」を考える人は少ないでしょう。それには、こんな事例があります。

 ここに若夫婦がいて夫が出勤時、何も言わずに夜食して帰宅したとき、苦労して作った夕食を食べない夫に「どうしたの、私があなたのために苦労して作った夕飯を食べてくれないの」と当然妻が怒るでしょう。

 その時、夫は言うことがあります。「ああそうなノ、ごめんね。実は帰宅直前、顧客がやってきて、重要な仕事の話を長々として、二人で料亭で夕食を共にしたんだ、すまなかったね、ごめん、ごめん」と謝れば、その場は一応収まることになるでしょう。その場合、直接「俺だって仕事で忙しいんだ」と言えば、そこで夫婦喧嘩になるのは必定です。

 「ああそうなノ」とひと息入れたうえで実情を説明すれば、その場は何とかうまく収まることになります。

 本当に、「愛」という文字には含蓄がありますね、このほか、文字の形には色々考えさせられることが多々ありますよ。 (村田 忠(シーズネット京都))

俳句

牡丹雪光輪のごと運河の灯
 杖一つ五感に加え雪げ道 (川口 昭治)

町うらら久しの友とランチかな
 仕事終え空見仰ぐれば冬の月 (渡辺 セツ子)

五行歌の会

色褪せた
 思い出も
映像の中では
 弾けた笑顔
満腹な心 (山本 満里子)

私は嫁です
 もう80近い
にも拘わらず嫁です
 家と紐付きの
女です (菅 妙子)

エッセイ

趣味と発明と数学と

 私は現在77才、ずっと独り身なのでいろいろな趣味を楽しんできました。
 読書(2000冊)、囲碁(2段)、カラオケ(歴47年)、発明(30数件)、太極拳(奥伝)、社交ダンス、フリーセル(パソコントランプゲーム)などなど…
 カラオケは、東京のサラリーマン時代に会社の先輩から強制的に歌わされたのが始まりで、その後ナツメロを主体に歌ってきましたが、最近は洋楽にハマって歌の会で楽しんでいます。ストレス解消にはもってこいですね。
 発明は、出張の時に買った発明本がキッカケで、その後紆余曲折を経て今は発明コンサルタントとして、発明相談所(発明工学会)を開いています。
 課題が解けると眼前の霧がすーっと晴れて気分爽快です。

 昨年の10月、テレビで「笑わない数学」を見ていたら「コラッツ予想」という80年以上未解決の数学難問が紹介されていました。
 「ある整数が奇数の時は3倍して1を足し、偶数の時は2で割るを繰り返すと必ず1になる」というもので、103まで電卓片手に計算したらその通りになりました。(27は121項目に及び。コンピュータでは兆を超える数まで確かめられています)
 今は頭の体操として日夜取り組んでいます。
 ちなみに、日本のある企業が最初に証明した人に懸賞金をかけており、その額は1億2000万円です。(山本修一(サイト:発明情報館))

シルバー川柳

  • デジカメはどんな亀かと祖母が訊く
  • この頃は話も入れ歯もかみ合わず
  • 景色よりトイレが気になる観光地
  • お迎えはどこから来るのと孫がきく
  • 目には蚊を耳には蝉を飼っている
  • 探しものやっと探して置き忘れ
  • うそ言うな金は天下の回りもの
  • 三時間待って病名は「加齢」です
  • 世辞の句なかなか出来ぬと長生きし
  • おい! おまえ! いつしか妻の名を忘れ

絵手紙


澤田 信子

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