NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人
明けましておめでとうございます。皆様はつつがなく新年を迎えたことと思いますが、この物価高やコロナ禍で青息吐息の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。2022年を代表する漢字の「戦」に象徴されるように、ウクライナの戦争はもとより、コロナ禍、円安・物価高、軍備拡張のための増税論議などに加え、出生率が80万人を割るなど少子化が予想以上に進み、どうも明るい未来を描けないような年の初めになりました。
こんな時代だからこそ、人口の多い私たちシニアの役割はますます大きくなっていると思います。子供たちの未来にツケを残さない社会づくりを目指し、今からでもできることを考え、実行する年としたいものです。
個人としてできることは限られていますが、一番心がけたいのは「健康」を保つことでしょう。社会保障費が増大している原因の一つは高齢者の医療費・介護費の増大であることは言うまでもありません。ですから、介護予防に心がけることはとても大切です。
介護が必要になった原因の第1位は認知症、第2位は脳血管疾患、第3位は高齢による衰弱、第4位が転倒・骨折となっています(令和4年版高齢社会白書)。高齢による衰弱はともかく、認知機能低下予防は人とのコミュケーションを増やすことや日頃の脳活などで予防効果がありますし、脳血管疾患は食事内容の見直しや運動、血圧のコントロールなどである程度予防が可能です。転倒・骨折も食事(栄養第一!)と運動、環境の見直しなどで防ぐことができます。また、それ以上に効果があるのは「社会参加」することだということが、近年の研究等で明らかになってきました。
社会参加するということは、人とのコミュニケーションや人と会うための身だしなみへの配慮(お化粧などもそうですね)、それに目的地へ向かうための移動で歩くことや、活動するのでお腹が減り御飯が美味しくなる、などの副次効果も大きいのです。そして、活動することで自分の存在意義が確かめられ、人の役に立っているという思いが自己実現性を高めること、つまり「生きがい」が健康を引き出すのですね。
フレイル(虚弱になること)の予防は、1に栄養、2に運動、3に社会参加、と心掛けて、コロナ禍で閉ざされつつあった「社会参加」に、今年は再開の一歩を踏み出す年としたいものです。
先日、会員の皆様にボランティアに関するアンケートをお願いし、集計も出来ましたので、来月号で結果をご報告したいと思います。総計199名の方のご提出をいただきました。回答された方に改めて感謝申し上げます。なお、それを受けて「ボランティア研修会」を行うことと事業計画に位置づけておりましたが、寒くて路面が凍る冬に行うこともないだろうと見直し、春以降に行うこととしますので、ご了承ください。
さて、18年に渡り会員の皆さんの窓口を担当していた国行さんが、この度出向元での定年退職となりました。国行さんには、事務局の様々な業務を担っていただき、目に見えない雑用的な業務も一手に引き受けていただいておりました。長年のご尽力に深甚の感謝を申し上げます。それにより、1月から事務局体制に若干の変更がありますのでよろしくお願いいたします。