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12月 01

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杉谷憲昭さんを悼む

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

皆様に哀しいお知らせがあります。シーズネットの元理事の杉谷憲昭さんが、11月14日に天に召されました。

杉谷さんは、夏に体調の不良を訴えまして、9月から入院加療しておりましたが、治療の甲斐も虚しくご逝去されました。享年75歳でした。ご冥福をお祈りいたします。

杉谷さんは、岩見さんの講演を聞いて、「この人に付いていこう。これからの人生を岩見さんの説く役割づくりを我がものとして、シニアだからこその社会貢献活動を広めていこう」と決意して、2005年にシーズネットに入会しました。すぐに事務所に来て、岩見さんの講演活動などのお手伝いをする傍ら、「札樽のつどい」というサークルを立ち上げ毎回趣向を凝らしたイベントを行っておりました。その後、持ち前の企画力と行動力を発揮し様々な新風をシーズネットに吹き込んでくれました。

2007年には、当時問題になっていた高齢者の孤立死を何とか防ぐことはできないかと岩見さんから示唆を受け、札幌市に孤立死を防ぐ対策を提案しました。札幌市はこれを受け「札幌あい(愛)・あい(目)ネット事業」を立ち上げ、シーズネットに「さっぽろ孤立死ゼロ推進センター」を委託し、杉谷さんがセンター長となりました。杉谷さんは優れた調整能力を発揮し、西区、厚別区、豊平区で、訪問型、来店型のモデル事業が実施されました。3年間の事業の成果として訪問型(新聞販売店や配食、宅配事業者が訪問し、新聞が溜まっているなど利用者宅の異変に気づいたら役所等に通報するシステム)の事業の効果が認められ、現在札幌市が行っている「札幌市事業者等による見守り事業」につながります(現在19事業者が参加する大きな事業になっています)。この事業で毎年多くの市民が一命をとりとめており、杉谷さんの大きな功績と言えるでしょう。

また、杉谷さんはこの事業を通じて各区のマンションの管理組合と知己を得て、集合住宅での孤立を防ごうと呼びかけ、2013年には市や道の住宅管理公社、UR都市機構などを集め「団地サミット」を開催しました。今の「地域ささえ愛サミット」に至るまで継続した事業となっています。この流れで、終活にもいち早く取り組み2015年から3年間「終活フェア」をエルプラザやチカホなどで開催し、市民に終活への関心を植え付けました。

さらに、より身近な地域で支え合いの輪を作りたいと、もみじ台管理センターの地域活動事業に協力し、シネマサロンやなないろテントサロンを発案するなど地域づくりの輪を広げてきました。現在もシーズネットはもみじ台管理センターを中心にした地域づくりに協力していますが、その土台を杉谷さんが作ってくれたのです。

他にも、この紙面では書ききれないたくさんの活動をしており、シーズネットの広告塔として八面六臂の活躍をしておりました。まだまだ若く元気だった杉谷さんを失ったことに呆然たる思いです。シーズネットとして、杉谷さんが目指した楽しくためになる社会貢献活動を取り組んでいくことが、杉谷さんのご遺志に報いると思っています。安らかにお眠りください。そして岩見さんと一緒に天国からシーズネットを叱咤激励してください。ありがとうございました。

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