コーヒーの甘い香りに誘(いざな)なわれ
気まずさ忘れる二人のあわい (大野 一)
久(ひさ)かたに兄妹四人(よにん)あつまりて
母の墓前にしんみり語る (斉藤 邦子)
ビン詰めの茄子漬け届く荷の底の
山形新聞たたみ直し読む (瀧澤 いつ子)
コロナ禍でわが声徐々に細くなり
あわてて始める一人カラオケ (中浜 敏明)
空色のグラデーションのシューズ履き
卒寿の人は颯爽(さっそう)とゆく (中山 寿子)
北陸は七尾生まれの祖母の地を
八十路の孫が姉妹で尋ぬ (福栄真理子)
命もて遊ぶ生まれ出ずる悩み
老いの言始め信じて線を引く (浜 正吉)
登りたい類さん登る函館山
秋に咲くそっとゆれている恋の花 (ホヤ レイ)
控えめで可愛いしぐさのしまえなが
友が言うあなたはマグロわたしトド (たかちゃん)
政を為すは人にあり
ロシアのウクライナ侵攻の初期、キーウ近郊でロシア兵の前に立ちはだかり、手を兵士に差し出している高齢女性の映像が出た。解説曰く「この、ヒマワリの種をポケットに入れて行け。お前が死んだらそこからひまわりが芽を出し咲くだろう」と言っている、こんな趣旨と思った。(ウクライナの国の花はひまわり)
今から50年以上前のイタリア女優ソフィア・ローレン主演の映画「ひまわり」を思い出す。
戦地行った夫を探しに、当時のロシア連邦ウクライナ地方の一面真黄色のひまわり畑を歩いている映像である。土地の人曰く「ひまわり畑の下には多くの兵士の遺体が埋まっている」
この映画は、冷戦下ではあるがイタリア、フランス、ソビエト、アメリカの合作映画である。
参議院選挙が終わった数日後、オーストラリアの友人ロンが、突然声をかけて来た。
「タカシ、信じられない。あなたの国は、半分の人が選挙を棄権するのですか？」
参った。地方選挙は投票率が30％位のときもある。
オーストラリアの選挙は義務であり、止む得ない理由で棄権したとき以外は、約2,000円の罰金である。(ちなみに投票率は90％以上との事)
日本の選挙権は権利であり容易く棄権できる。 (沖野 孝)
秋惜しむ路地にこぼれる日の光
蛇笏忌の港出てゆく巡視船 (川口 昭治)
赤白黄ピンク
大地のコスモスたち
私の季節と
風に誘われ
軽やかに踊りだす (板垣 町子)
夏枯れの紫陽花に
一片と化す
秋の蝶
残る命に
逆らわず (寺島しのぶ)
シーズネットと合唱団「20年のあゆみと思い出のひとこま」 NO.16
2017年2月2日 札幌市民ホールに於いて札幌住宅管理公社主催「暮らしのヒントシリーズ」があり、シニアの楽しい生き方を目指す活動としてシーズネット合唱団が紹介されました。
2017年2月26日 札幌市地域振興課主催による「コミュニティーマーケット」がアリオハーベストコートで開催され、合唱団も地域活動として参加し、「花」「ふるさと」などの曲を琴のアンサンブルと共演しました。
2017年6月13日 福祉バス利用のバス旅行。眼下に海を見ながらの爽やかな合唱のほか、小樽芸術村ステンドグラス館見学、ノイシュロスホテルにてランチ、北海道ワイン工場見学など楽しいメニューに溢れた一日でした。
お礼の品を発送してもらうため、就寝前に菓子店のポイントカードを探した。
しばらく利用していなかったので、なかなか見つけられない。前回、使ったときに「デザインが変更になりました」と言われたはずだ。あぁこれだ、見つけた。慌ただしく財布に仕舞う。
菓子を選び、伝票を記入し、さて支払いの階段へと進み、トレーに現金とポイントカードを置く。
「お客様、当店のポイントカードはお持ちですか?」と問われたので、トレーを指差して「これです」と応じる。
「お客様、こちらは○○店様のカードでございます」
「えぇ! ご存じなのですか?」といきなり敬語になる白髪のおばさん。
「はい。美味しいですよね」と微笑む彼女。
多分、おいおい、ツッコミどころはそこかい?と思ったに違いない。しかしさすがプロだ。トンチンカンな会話に合わせ、不快感をもたせない見事な接客だ。
「持ってきていません・・・。」と俯いて笑いを堪えているおばさん。
「では、レシートにポイントをお付けしておきますね」と笑いを堪えながら説明をする彼女。この接客こそ、老いに対する寛容ではなかろうか?と考えさせられた「ポイントカード誤爆事件」でありました。 (森真佐子)
澤田 信子
