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9月 01

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会員の広場 2022.9

川柳

生きるため希望の綿毛空を飛ぶ
 夢売りの仮面を脱いで干しておく (浜 正吉)

友の声疲れた心丸くする
 蜜蜂の仕事の先にレンゲ草 (田村ノブ子)

孫の顔チサノレナリナ宝者
 好きな歌聞こえて心動き出す (ホヤ レイ)

短歌

リュウマチと医師の告げ来る言葉さえ
 その淡々と我は寂しき (本田 征子)

コロナ禍の真夏日に逝きしわが祖父の
 別れの参列も叶わず (小西 和子)

投稿五行歌

雨や風にも負けず
 コロナ菌をかいくぐり
責任果たす
 企業戦士
三山が味方する (ひろ)
エッセイ

「9階にどうぞ」

 僕は今日も自分の部屋を探している。ここには似たような部屋ばかりが延々と並んでいる。

 だから迷ってしまう。時々すれ違う住人が僕の部屋を教えてくれる。年寄りばかりが多くて、話かけても満足な返事は返ってこない。事務所に眼鏡をかけた若い男がいる。僕が訪ねると彼はいつも半笑いの困った顔をして部屋を教えてくれる。だが、それも僕の部屋ではない。似たような廊下の角を何度も曲がったような気もするが、階が違うのかもしれない。エレベーターに乗る。僕が行きたいのは九階のはずなのに誰も連れて行ってくれない。妻や子どもたちはどこへ行ったのだろう。めったに会わないあの子たちは困っているかもしれない。

 ここは社員食堂だろう。広々としたテーブルの前で僕は新聞を広げ、エレベーターの開閉を見ている。すると「おじいちゃん私の家に行こう」と声をかけられた。振り向くと女の子がいる。この子は僕の娘だと思う。腕を支えられて車に乗り、知らない町を走り奇妙な看板の前を通り過ぎ、高い建物の前で降りてエレベーターに乗る。その娘が言った。
「おじいちゃん、9階へどうぞ」

2009年91歳にて旅立った父へ (森 真佐子)

俳句

雲割ってうす絹びかり窓の月
 鰯雲沖行く船の白きかな (川口 昭治)
五行歌の会

追う雲も
 追われる雲も
吹く風まかせ
 燃ゆる思いを
心に染めて (浜 正吉)

記憶のかけらを
 つないでいたら
モザイク模様に
 子供の頃が見えてきた
我が人生の始まりが(友田冨美子)

シーズネット合唱団

シーズネットと合唱団「20年のあゆみと思い出のひとこま」 NO.15

2016「15周年記念の集い」の10日後の7月11日、シーズネット合唱団は、モエレ沼公園ガラスのピラミッドに於いて「シーズネット合唱団15周年記念交流会」を開催しました。社協のバス利用で出発し、広大な公園内にあるガラスのピラミッドのスペース1を借りきり、合唱団の15年の歩みや活動の様子を映像等で紹介、その後北海道二期会テノール歌手である相澤清氏を迎えての記念演奏会、合唱団による思い出の曲の合唱、更に園内のノグチイサムのアート鑑賞など、天候にも恵まれたこの日、団員みなにとって記憶に残る素晴らしい一日となりました。


エッセイ

「素敵な時間の使い方」 ~楽しくうれしい時間です~

 さあ皆さん、一体どんなこととお思いですか?

 郵便ポストを開けると、あった~! ハガキです。

 楽しみは裏面。あ~っ、かわいい!ピンクのぽっぺで大きな口開け伸び伸びをして笑っているシマシマニャンコの絵、そばに緑のクローバーと黄色いたんぽぽの絵の切り抜きも。前に貰ったのは美しいミヤマオダマキ、花、小鳥などの絵や写真の切り抜きを簡潔な文面のすき間に貼ってあるのです!何度も見てしまいます。

 星寿も過ぎた今もなお反田恭平の大フアンでコンサート通いの日々のエミちゃんは、一回り以上とし上の素敵な友人。時間を見つけては新聞や雑誌から好きなイラストや写真をさがし、せっせと切り抜き収集。それをハガキにどう使おうかと考えるのが楽しく、それがまた相手に喜ばれると思うとますます楽しくってしょうがないと。それをポストに見つけた私は思わず笑顔になってしまい、更にエミちゃんの顔が浮かび嬉しい気持ちになるのです。お互いが楽しく幸せな時間。 素適な時間の使い方だと思いません? (コロナ禍も楽しく過ごす熟女会員2より)

絵手紙


大西孝子

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