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12月 21

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居場所づくりと仲間づくり・役割づくりの融合

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

この通信が届くころには、皆さまも新しい年を迎える準備等でお忙しいことと思う。去ってゆく2017年の皆様のご努力をねぎらうとともに、新しい2018年が皆さまにとって良き年となるよう祈りたい。

さて、今回はシーズネットの理事である山本純子さんが挑戦している新しい試みをご紹介したい。山本さんは「NPO法人福祉NPO支援ネット北海道」という団体の理事長で、さわやか財団の「さわやかインストラクター」でもある。その山本さんが、今年度のWAM(ワム:「独立行政法人福祉医療機構」の略称)の助成事業を活用して、サロンで介護を学ぶという事業を立ち上げた。正式名称は「居場所と連携した家族介護者等支援事業」、いわば「居場所」での介護講習を通じた「仲間づくり」「役割づくり」という大変ユニークな視点での取り組みである。なぜサロンで、ということだが、山本さんいわく、「居場所に来ている方々は、身内の介護の問題を抱えながら来てくれている人もいる。居場所がそんな人の支えになれたらよいと思うし、また、参加者本人も今は元気かもしれないが、いずれ介護が必要になる時がくるかもしれない。そんな時、サロンの仲間同士で助け合い、サロンへの参加を継続できるようにすることができればいいなあと思う。また、きちんと介護技術や介護サービスの仕組みを学んでおけば、自分自身が介護が必要になったときでも気軽に仲間にSOSを発信することができるのではないか」ということである。実際に「体の状態が思わしくなくなってきた」ということでサロン通いをやめる人たちも多い。「サロンってそんな程度の付き合いじゃないだろう、もっとサロンの仲間とつながろうよ」といったところか。

この事業の目的に共鳴してシーズネットもその活動に協力し、「サロンこのはな」では計5回の介護講習会を行い、参加者は毎回10名を超えた。皆さん熱心に介護技術の習得などに取り組んでいた。他にも「Cafeべりい(中央区)」、「サロンえいと(中央区)」「コミュニティカフェめりめろ(手稲区)」「ふじのカフェ(南区)」、「café亜麻人(北区)」で開催してきた。内容は「介護技術」「介護保険の仕組み」「認知症の人のケア」などであり、それぞれに現場で活躍する専門家や、家族の会、地域包括支援センターの方々が講師を担ってくれた。

来年の1月20日(土)にその成果を発表する催しが、わくわくホリデーホール(市民ホール)で開催される。サロンこのはなの発表もあるので、ご興味のある方はぜひご参加されたい。

また、ほぼ似た目的を持って、会員の西原さんが「介護を学ぼう」という講座を来年2月から8回にわたって開催することとなった(別添チラシ参照)。こちらも、会員が自主発案した素晴らしい取り組みであるので、ぜひご参加いただければと思う。

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