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5月 20

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あんしん住まいサッポロの独り立ち

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NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

シーズネットの「役割づくり」の取り組みに大きな役割を果たしてきた「あんしん住まいサッポロ」が、この4月に一般社団法人として独立することとなりました。

「あんしん住まいサッポロ」の生みの親は、2003年から始めた「高齢者住まい研究会」です。当時、札幌には高齢者向け住宅が少しずつ増えてきており、事務所に来ている会員の間で「どんなところなんだろう」と話題になったりしていました。岩見太市前代表がそのことを知り、「高齢者向け住宅がどのような実態なのか調べ、市民へ情報提供しよう」と、持ち前の発想力で札幌市の住宅課に持ちかけ、研究会を設置したのでした。

市社協やシンクタンク、建築士、シーズネット会員なども加わり発足した研究会では、高齢者向け住宅の見学をして、その成果を2004年に「札幌シニア向け住宅情報」という情報誌にまとめました。これが現在も続いている住まいの情報誌の創刊号です。このときは25件掲載し500部印刷しましたが、当時このような情報が全くなかったことと無料でもあったことから、ケアマネジャーなどの関係者がこぞって求めたものです。2006年に第2版、2009年に第3版を発刊し、その後は2年ごとに発刊、2011年からは「シニア住まい情報さっぽろ」と名称を変え、有料として広告なども載せることとしました。

最新の2015年版は503件もの高齢者向け住宅が掲載されています。この10年間で爆発的に増えてきたのですね。

また、情報誌を出したことにより一般市民の方からの相談が増えてきましたので、これも岩見前代表の発案で、相談の窓口をつくることとしました。2009年8月より「北海道高齢者住まいの相談情報センター(通称:住まいるサッポロ)」を立ち上げて、民間不動産業者による場所の提供を受けて運営を開始しました。会員の西原さんを中心に相談員を養成し、平日の日中、相談窓口を開設しました。2013年4月に現在の場所であるオーク札幌ビル(北1西2)に移ったことを契機に名称を「あんしん住まいサッポロ」と変えて現在に至ります。相談は年ごとに増え、平成26年度は1,333件もの相談がありました。

また、事業も相談、情報誌の出版ばかりでなく、北海道から各地域での研修事業を依頼されたり、介護予防センターなどから講話を依頼されたりという社会的な仕事も増えてきました。そのようなことから、昨年度から法人化の検討を進めこの4月に独立を果たしました。シーズネットで行っていた事業からの独立は、「住まいるアップセンター」を引き継いだ一般社団法人北海道高齢者向け住宅事業者連絡会に続き2団体目です。巣立っていく子どもを見送るような気持ちですが、今後のますますのご活躍を期待します。

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