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1月 22

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「一億総活躍社会」を先取りしているシーズネット

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NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

今年は申年、株式の世界では「申酉(さるとり)騒ぐ」(申年と酉年は相場の変動が大きくリスクが高い年になる)と言われます。その格言に合わせるかのように、安倍首相が打ち出したのが「一億総活躍社会」です。一億人を超える日本国民の皆さんに、大いに(騒がしく)活躍していただこうということですが、一体どうなることやら‥‥。

一億総活躍社会」は、少子高齢化による労働供給減と将来に対する不安により経済成長が頭打ちとなっていることから、社会保障面での不安を一掃しようと掲げたスローガンで、その内容を「新三本の矢」として打ち出しました。新三本の矢は、①希望を生み出す強い経済になってGDP(国内総生産)600兆円が実現する、②夢を紡ぐ子育て支援がなされ希望出生率1.8が実現する、③安心につながる社会保障が実施されて介護離職ゼロが実現する、というものですが、実はそのための財源論があまりはっきりしていません。社会保障費は来年度予算で診療報酬をマイナス改定しましたし、これからも厳しい見直しが続きそうで、どうも第2、第3の矢(安心につながる社会保障)と矛盾するような気がします。

私の仕事関係でいうと、3本目の「介護離職ゼロ」の矢が大いに影響があるわけですが、 この具体的な方向性が①特養やサービス付き高齢者向け住宅などの50万人以上の受け皿つくりと、②介護職の人材の確保、③健康寿命を延ばすことなどです。

サービス付き高齢者向け住宅については、札幌ではもうだいぶ整備されている状況ですが、介護人材の確保は、在宅介護の現場で働くヘルパーさんの確保が難しいなど、かなり困難な課題となっています。抜本的な対策を望みたいものです。

さて、 健康寿命を延ばすことはとても大事なことですが、 その動機づけは一人一人の自覚の中にしかありません。国の方策を一言でいうと「これからは手厚い社会保障は実現できないから、高齢になっても元気でいられるように自分たちで自覚を持ってほしい」ということです。一億総活躍って、 結局は自助努力を促しているんですねえ。その点、 シーズネットの会員の皆さんは、サークルやサロン、研修企画などに大活躍!国に言われなくてもしっかり自覚して、 勝手に総活躍社会を先取りしています!今年が良い年になるよう、 誇るべきシーズネット会員の皆さんとともに歩み続けたいと思います。

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