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7月 01

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コロナ禍の中でのシーズネットの活動

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

会員の皆さまは、コロナ禍の中ですがお元気でお過ごしでしょうか。コロナ感染予防の関係で2月に北海道の緊急事態宣言、そして4月に国の緊急事態宣言が相次いで、シニア層にはとても危険なウイルスということもあり、シーズネットの活動もほぼ自粛を余儀なくされました。現時点では、会員で感染されたという方が報告されていないのが唯一の救いです。でも、外出を避けることなどが奨励されたため、会員の皆さまの中には虚弱(フレイル)になりつつある方もいるのではないかと、とても心配しています。といってもそれを予防する効果的な支援がほとんど無いのが、この感染症のもたらすやっかいな課題です。

さて、コロナ禍はシーズネットの活動にも様々な影響を及ぼしたところで、いつも5月下旬に開催する総会も規模を縮小し、その後に開かれていた会員交流会も中止としました。また、サークルやサロンもほぼ休止している状況です。

発足以来、毎号欠かさず作成していたシーズネット通信も、この度初めて6月号の発刊を見合わせました。編集、印刷、送付作業などほぼ3密の状態で行っておりますので、感染予防のための苦渋の決断でしたのでご理解ください。でも、緊急事態宣言も終わり、やや平常に戻りつつある状況でもありますので、感染予防に細心の注意を払いつつ7月号を発刊することとしました。もっとも正式には今回の通信を6・7月号合併号として扱わせていただきます。出版業界の「刊行を途絶えさせない」という慣例にならったものです。

そんな状況の中、総会も終了したタイミングで、シーズネットが今後どのような活動をすべきなのかなどについて、紙面を借りて述べたいと思います。

【総会の報告】

まず総会ですが、3密を避けるためにできるだけ少人数での開催をお願いしたところですが、皆様のご協力もあり委任状がいつもより多く集まりまして、総会は成立しました。総会は、6月2日にシーズネット研修室で開催し、5名 の参加者(奥田理事長、千秋副理事長、山根事務局長、笠谷理事と議長の菊池さん)で滞りなく議事は承認されました。

今回はこのような事態でもあり、新たな提案は一つだけでした。それは、定款の「総会」規定のところに「書面表決」を位置づけたことです。今までは委任状しか規定していなかったのですが、今年のように総会が縮小されて開催しなければならないことも今後予想されますし、また多くの法人では書面表決を規定しております。総会に参加できなくても「書面表決」があれば会員各自の意志を伝えることができますので、そのように定款を改正し、承認されましたのでご報告します。

また、総会時に参加者から今後の活動についていろいろとご意見があり、理事長として次のように判断しましたので、この機会にお伝えしたいと思います。

【コロナ禍の中での今後の活動】

コロナ禍の中での今後のサークル・サロン活動についてですが、いままでは基本的にサークル・サロンに、活動の開催または自粛については自主的に判断するようお任せしておりました。ただ、実際に感染等があった場合に、シーズネットとしての判断はどうだったかとの疑問がマスコミ等から寄せられる場合も考えられることから、今後は、国、道、札幌市(支部として旭川市、函館市)からの緊急事態宣言等が発出された場合などは、活動を自粛することをシーズネットとしてサークル・サロン(支部も含めて)に要請することとしたいと思います。もっとも、現段階(6月10日現在)では緊急事態宣言が終了しましたので、活動の再開についてはサークル・サロンの判断にゆだねることとします。ただ、道が推奨する感染予防の「新北海道スタイル(別図)」を徹底した上で開催するよう、サークル・サロンに要請します。

【今年度の予算と見通し】

予算は昨年同様の組み方としましたが、 サークルは自粛が続いている状況ですので、予想ではサークルの参加料収入が激減することが見込まれます。概ね200万円以上は減収するのではないかと予想されます。さらに、会費収入も減収が見込まれます。会員数はほぼ900~1000人で保っていますが、この間、若干減少傾向にあり、またコロナ禍で活動自粛により退会する方も増えつつあり、この状況で新しく入会する方もさほど増えていくとは思えません。この減収への対応をどうするかということが課題です。

昨年初めて実施できた「福祉サービス第三者評価」で今年度は100万円くらいの収入を見込みますが、それでも100~200万円ぐらいは減収と予想されます。そのため、他の産業同様、支出の見直しをしなければなりません(他の産業の方がもっともっと大変ですが)。

シーズネットは特に収益事業をしているわけではありませんので支出を削るくらいしかないのです。運営はボランティアで担っているので、不幸中の幸いというか収益事業をしていない分、人件費を削る(雇い止めなど)という厳しい選択をしなくてもよいのが他の産業に比べてありがたいところではありますが、支出の削減については、今後の実際の経理執行状況の中で判断したいと思います。

【シーズネットの新たな方向性】

そのような様々な課題もあり、多分シーズネットも今のモデルでの運営は将来的には厳しいのではないかというご意見もいただきました。また、会員の平均年齢が75歳を超えてサークル・サロンの後継者問題等も噴出しております。

そんなことから、20周年に向けて、新たな認定NPO法人のモデルを検討したいと思っております。コロナ禍を受け止めて(多分しばらく続くでしょう)、新たなモデルを模索する一年としたいと思います。まずは次のことを考えております。

  1. 認定NPO法人という立場をより鮮明にするために、道民、市民への社会貢献活動を推進すべく、創始者である岩見代表が常日頃発信していた「地域家族」という考えを基に、様々な支え合いの取り組みを実践することを具現化していきたいと思っております。その具体策として、シーズネットが社会に提供できる得意な分野をさらに伸ばしていくことや、新しいサービスの提供などを検討していきたいと考えております。キーワードは「健康寿命をのばす」ための取り組みではないかと思います。
  2. それに付随して、会員のあり方を見直したいと思っています。具体的な案はこれから検討していきますが、現在の「会員(定款上の「社員」)」、「賛助会員」、「団体会員」という枠組みを見直したいと思います。
  3. 通信の発送料(材料費+印刷費+発送作業費+発送料)及び発送事務が大きな負担となっていますので、通信を会員専用ホームページで見ることのできる仕組みをつくり、発送が必要ないという方には会費の値下げなども検討したいと思います。
  4. もちろん、これらのことは今後の総会に提案して皆様のご承認を頂いた上で実行することとなりますが、コロナ禍をきっかけとして、そのような方向性を模索する一年とし、来年度の20周年を迎えたいと思っております。

この間も、会員の皆様には、様々な作業などボランティアで支えていただき本当に感謝しております。

末尾で恐縮ですが、5月に㈱アルワン(高齢者向け住宅を経営している会社)の石田社長様より不織布マスク500枚の寄付をいただきました。来客や脳活塾などで活用しております。紙面を借りて感謝申し上げます。

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