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9月 21

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中国帰国者支援事業

北海道新聞9月16日の朝刊に「中国帰国者の残留邦人のいま」という記事が1面トップに載りましたが、その中でシーズネットが協力している事業が紹介されました。

シーズネットの中国帰国者支援の関わりは、現在この事業を中心的に担っている青木さんが、中国帰国者の方と知りあう中で、その方々が地域との接点があまりないことに気付いたことからはじまります。彼らが培ってきた文化などを地域の皆さんに披露するきっかけがあれば、より地域に馴染むのではないかと思ったそうです。青木さんが道社協(中国帰国者支援・交流センター)の担当者と話したところ、「語学とか生活の支援だけではなく、彼らが持っている力を発揮するような支援も必要だ。シーズネットで、帰国者の文化などを地域に伝え交流するような取り組みができないか」ということになりました。

そして、平成26年から道社協の委託事業で「中国帰国者支援事業」がはじまりました。最初は、青木さんの提案で、帰国者が多い厚別区もみじ台地区と東区で文化作品展を開きました。区民センターのホールなどを借りて、帰国者の描いた絵画とか書道などの作品を展示したり、中国舞踊を披露したり、餃子を作って食べたりと賑やかな展覧会となりました。平成27年まで年2回ほど開催していました。また、もみじ台のお祭りで、子どもたちに餃子づくりを教えたりなどの交流も行って来ました。

そのうちに、帰国者の方々も高齢になり要介護になる方も多いという実態もわかってきました。また、帰国者の多くの方は日本語ができませんので、見守りなどの地域の支援がなかなかできない状況もわかってきました。それで介護予防教室とサロンをセットで行い、町内会や民生委員の方も参加することでお互い見知ってもらうということとしました。

この介護予防サロンは平成27年7月から毎月、もみじ台管理センターのホールで開催しています。当初は帰国者の方が18名ぐらい、ボランティアを含めて30名ほどが毎回参加していました。対象者もだんだんと高齢になったことやコロナ禍で、この頃の参加者は減少していますが。ボランティアは、地域の町内会役員や民生委員などです。介護予防の運動の指導は、北海学園大学名誉教授の竹田先生で、通訳の方も配置しております。参加された帰国者の方々は「こういう機会が無かったので楽しい」「仲間と会って元気な姿に励まされる」などと述べています。また、このサロンをはじめたおかげで、参加した町内の方がスーパーなどで会ったときに挨拶したりという日常的な交流が生まれてきています。

道社協からこのサロンの成果を高く評価され、平成27年10月からは山口団地など帰国者が多い手稲地区でも行うようになり、今でも毎月もみじ台と手稲で月1回実施しています。

このような地道な取り組みもシーズネットの活動として行っていますが、担う人が限られているのが課題です。会員の皆さんでご興味のある方は、一度サロンをのぞいて見てください。
中国帰国者支援・道新20220916中国帰国者支援・道新20220916の2

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