四月には納骨すると知らせうけ
父のもとへとやっと追いつく (斉藤 邦子)
面会のビニール越しの五分間
差し出す手と手何も語らず (瀧澤 いつ子)
明暗をみごと描き分く百号の
キャンバス見上ぐ秋の道展 (中浜 俊明)
数々の老いるショックを超えてきて
心は体に少し寄り添う (中山 寿子)
身の丈に合わす毎日繰り返し
生かされている日々を大事に (福栄真理子)
草萌えるマスク外して深呼吸
梅の咲く茶器で一服春を呼ぶ (田村ノブ子)
歩くママの胸でスヤスヤ幸せ夢
ふと浮かぶ恋の川柳風に飛ぶ (ホヤ レイ)
爽やかな色に抱かれて花に酔い
心から笑える人と同じ屋根 (浜 正吉)
山 椒
我家の家庭菜園には山椒の木が2本あります。山椒は道南に自生しております。雌雄異株ですので1本では実がならない事が多いです。友人から頂いた2本の苗木が偶然にも雄と雌でした。苗木では雌雄の区別がつきにくいためラッキーでした。「冷奴に木の芽で冷酒をぐい」と「擂粉木作り」が目的で植えました。
植えてから10年位から実を付けましたので、「山椒の佃煮」に挑戦するも失敗し、以後放置状態でした。
ある日、山椒の周囲でアゲハチョウが乱舞しておりました。優雅そのものです。程なくしてアゲハチョウの幼虫(モスラ様)があらわれて、山椒の葉を食し、丸坊主状態にしました。翌年もアゲハチョウが乱舞し、幼虫が大発生しましたので、1匹ずつお引き取りねがいました。(丸坊主状態が2~3年継続すると山椒が枯死することがあります)数年たって、また山椒にモスラ様が発生しました。今度はアゲハチョウの幼虫と少し異なったため、虫好きの菜園仲間と相談して調べた結果、ヤママユガの1種でシンジュサン(ミツキムシ)と判明し、成虫は13~14cm位になると分かりました。
早速、枝にネットをかけて、蛹化させ、翌年の羽化を試みましたが失敗しました。しかも、シンジュサンが夜行性であるためか見ることができませんでした。しばらくして、幼虫が再び大発生し山椒を食害し始めましたので、1匹ずつお引き取り願いました。(以後、幼虫の発生はありません)
両幼虫の食草は、山椒ですがこの広い土地で、どうやって探し当てるのでしょうか?今度、幼虫が発生したら、個体数を調整して翌年の成虫を楽しもうと思います。山椒の木は栗の木の下ですが、3m以上に成長し大木になりました。葉と実は乾燥させて保存して、煮物の風味付けに利用しておりますし、擂粉木も作りました。 (沖 野 孝)
ノモンハン 生きて還し 父がいて
命のバトン 手渡してゆく
山姥の ごとき白髪 なびかせて
母の齢を 超えて行きたし (森 真佐子)
一つの道に幕下ろし
次の道を求めて
体力、気力と相談し
楽しみ探し決めかねる
ぼう・と過ぎる日々 (西原桂子)
理想の水切りザルが
目にとびこんでくる
柳宗理の受賞作
使いがってがみごと
よき友に出合った心地する (板垣町子)
江崎 弘子