NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人
昨年度、シーズネットは、札幌市住宅管理公社主催の「住まいの情報セミナー」シリーズ全7回をお手伝いしましたが、その7回目が今年の2月16日に行われました。内容は、北海道新聞編集委員の福田淳一さんのご講演「シニアの生きがい探し」でしたが、お話の中でとてもショックなデータをお教えいただきました。
それはなんと、「北海道民は座っている時間が世界で一番長い?」というものです。
福田さんのお話しでは、日本人は世界の国との比較では、1日平均7時間座っていて、サウジアラビアとともに世界最長ということでした。ちなみにアメリカと中国は4時間、ポルトガルは2時間半だそうです。
では、なぜ北海道が世界一かというと、まず、北海道民は1日に「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌に費やす時間」が2時間38分で47都道府県中第1位となっています。ちなみに全国平均は2時間15分で、2位は山口県(2時間37分)、3位は鳥取県(2時間34分)、最下位は東京都(1時間55分)でした。次に、「スマホ、パソコンを1日6時間以上使用した人の割合」が北海道民は10.5%で全国第2位です。全国平均は9.3%、1位は大阪府で10.6%、3位は青森県で10.4%、最下位は長野県の6.5%でした。テレビなどのメディアやスマホなども、座って見る時間が多いですよね。それらのベスト3に北海道のみがランクインしているのだから、福田さんいわく、「北海道民は日本一座る時間が長い、ということは世界一ともいえるのではないか」ということです。(データは、いずれも総務省・平成28年社会生活基本調査に拠ります)
近年の研究で、座る時間が長いほど生活習慣病のリスクが高まるといわれるようになりました。座っていると体の代謝機能を活発にする脚の筋肉を使わないので、座りすぎると代謝機能が落ちていくというようなことらしいです。そのような研究が増えてきたことから、ずっと座ってパソコンに向かって仕事をしているIT企業などでは、立ち作業で仕事が行えるよう机の高さを変えるなどに取り組んでいるところもありますし、「オーストラリアでは官民一体となって、座りすぎに警鐘を鳴らすキャンペーンを展開(NHKクローズアップ現代15年11月11日放送)」しているそうです。
ですから、なるべく長く座ることを避けたいものですが、私もパソコンに向かっての作業が多く、座りっぱなしの毎日。もっとも、ずっと座りっぱなしが良くないようで、30分から1時間に1度くらいは立って動いたりするといいそうですので、私はあえて自分の席にゴミ箱を置いていません。ゴミを捨てるために立って動くというような小さなことでも小さな予防になるのですね。つまり、「億劫にならない」ということが良いようですので、会員の皆様も「億劫なことは健康維持にはありがたい」と思ってみてはいかがでしょうか。