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10月 21

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「シーズネットが高齢者向け住宅問題に関わる意義」その3

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

2009年8月にオープンした「北海道高齢者住まいの相談情報センター(略称住まいるサッポロ)」は、札幌市内では初の高齢者向け住宅の相談場所だったことから市民の皆さんがたくさん相談に足を運んでくれました。しかし、民間不動産業者さんから札幌市内の一等地に場所を提供してもらいながらの相談事業も先方に申し訳なく心苦しく感じていたことから、自立しての相談事業を模索し、2011年4月から札幌市住宅管理公社の一角(北1西2・オーク札幌ビル1階)に相談スペースを設けることができました。一角のスペースとはいえ玄関も独立していて、落ち着いた相談場所となっています。

この機会に名称も現在の「あんしん住まいサッポロ」に変更しました。このスペースは、「NPO法人さっぽろ住まいのプラットフォーム」と共有していて、住まいのプラットフォームさんは、できるだけ自宅に居続けるためのリフォームや各種のすまいの悩みなどの相談にのり、あんしん住まいサッポロは住み替えなどの相談にのるということで、いわば札幌市民の総合的な住まいの相談窓口ともなりました。相談件数はだんだん増えてきて2009年度は419件だったのが2015年度には1601件にもなりました。

平日は毎日開所しているので、相談員も養成して、現在は20名ぐらいの方が常時ボランティアで対応しています。なお、相談体制も整い独自事業なども始めるようになったことから、2016年にあんしん住まいサッポロは一般社団法人格を取りシーズネットから独立しました。

また、当時、岩見さんは、「相談体制は出来たが、今度は高齢者向け住宅の質の向上が必要だ」と言って、札幌市に提案しました。実際、高齢者向け住宅が増え続ける中でクレームなども聞かれるようになったこともあって、2009年8月から札幌市が「ふるさと雇用再生特別基金事業」を活用して「安心・快適住まいるアップ事業」をシーズネットに委託し、「札幌・住まいるアップセンター」を開設しました。この事業は、2012年3月で終わりましたが、事業者の連携という面では一定の成果を収め、2012年4月に北海道高齢者向け住宅事業者連絡会を発足し、その成果を引き継いでいます。なお、こちらも2014年度に一般社団法人になり北海道高齢者向け住宅事業者協会として活動しています。こうしてシーズネットから二つの法人が生まれ育っています。役割づくりの大きな成果といえるでしょう。

こうした流れから、サービス付き高齢者向け住宅の登録事業も、北海道と札幌市から委託・請負を受けていますが、この事業はまたの機会にご紹介します。

会員の皆様に知っていただきたいと思い、3回に渡り、シーズネットの住まい関係の取り組みの歴史をご紹介させていただきました。

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