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9月 23

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「シーズネットが高齢者向け住宅問題に関わる意義」その2

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

2003年に立ち上げた「高齢者住まいの研究会」は、北大大学院工学研究科の瀬戸口助教授(当時:現在は教授)を委員長に、シンクタンクの研究者や建築関係者などが名を連ね、協力者として札幌市の住宅課やシーズネット会員7名、建築士会女性委員会のメンバーなどが入りました(岩見前理事長が豊富な人脈を活用して働きかけたのです)。研究会の事務局リーダーは元シーズネット事務局長の吉田茂郎さんでした。シーズネットの会員は、女性建築士と二人一組になり調査員として高齢者向け共同住宅16カ所にヒヤリングのため訪問しました。この時の会員メンバーの西原さん、水梨さんは現在も事務局で活躍しています。この研究会の成果として、2004年に札幌市内の有料老人ホーム7か所、高齢者向け共同住宅24カ所を紹介した情報誌を発刊しました。高齢者向け住宅に絞った情報誌は札幌では初めての発刊でした。この情報誌では、研究会で議論された「住まいの選び方」などもチェックポイントとして記載しております。今でこそ、いろいろな情報誌に高齢者向け住宅の選び方などが載っていますが、当時としては画期的な試みでした。

情報誌は反響を呼び、様々な人や関係機関が購入しました。これを機に、シーズネットは06年、09年、11年、13年、15年とほぼ2年おきに情報誌を発刊しており、毎回3,000部くらい購入いただいています。今年の11月には2017年版が出る予定です(出版は、シーズネットから独立した「NPO法人あんしん住まいサッポロ」です)。

2006年くらいから、札幌市では高齢者向け住宅が雨後の筍のようにできてきて、情報誌を購入した方からの「住み替えを考えているが、私の現状ならどんなところが良いのか」などの問い合わせが多くなりました。そこで、岩見さんが「高齢者のための住まいの相談にのるところをつくろう」と発案し、2009年8月に㈱アルファコートさんのご協力を得て、駅前通りのビルに「北海道高齢者住まいの相談情報センター(略称住まいるサッポロ)」を開設しました。岩見さんがシーズネット会員に「住まいに関心のある方」を呼びかけ、3回の勉強会を経て7人が相談員として協力、8月から発行された情報誌をもとに多くの方の相談にのりました。(この項続く)

※9月10日に、シーズネットの事務局の大家さんの猿渡照夫さんがご逝去されました(享年87歳)。猿渡さんにはシーズネットの監事を長くお引き受けいただき、大企業の経営層にいた経験から経営面で貴重なアドバイスをいつもいただいておりました。また、囲碁を楽しむ会でもご活躍され、シーズネットにはなくてはならない人でした。ご冥福をお祈り申し上げます。

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