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12月 17

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北海道はトップランナー

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NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

先日、NHK北海道の「北海道のナンモン」というTV番組に出演させていただきました。
テーマは「高齢者の孤立」ということで、番組紹介では「少子化や人口減少を背景に、家族との縁が薄かったり、地域や社会とのつながりを失ってしまう高齢者が増えているという問題です」と、テーマを解説していました。
番組の中で、私は、高齢者の一人暮らしが多い背景を「北海道は、子どもに頼らないという気風と、子どもに頼れないという実態があるのではないだろうか。逆に言えば、高齢者が自立しているとも言える。この面で、北海道は日本のトップランナーであろう」という趣旨のことを発言しました。
なぜそう思うかというと、多分家族関係がベタベタしていないことが大いに関係あると思います。積雪寒冷地でありながら同居率が低いことが判断材料の一つです。積雪寒冷地は除雪の問題などがあり、家族が寄り添って暮らさなければ生活しづらいので、東北や北陸は同居率が高い傾向にあります。平成22年の国民生活基礎調査によると、山形は65.1%と全国一で東北・北陸はすべて50%以上ですが、北海道は鹿児島についで31.0%と低くなっています。その原因はというと、やはり家意識の希薄さがあるのではないでしょうか。内地から北海道に移住するときに連綿と続いた家の歴史とは切り離される覚悟を背負った感情が、家に対するしがらみをあまり感じない風土になったのではないでしょうか。
でも、これはむしろあずましい意識とも思うのです。欧米では個人の自立を重んじるので成人となった子どもと同居する文化はありませんし、また、日本でも同居率は下がる一方なのです。そういう意味で、北海道はトップランナーと言えるでしょう。子に頼ることなく自立したシニア時代を元気に楽しく暮らす文化を、私どもドサンコが創っていきたいものです。

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