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9月 01

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「介活」その2 ~よりよい介護をうけるために~

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

先月号の続きとなりますが、「介活」とは、介護を受ける心構えや準備などのことです。先日の「あんしん住まいさっぽろ」の市民セミナーで講師の淑徳大学の結城康博教授が唱えていたものですが、私もケアマネジャーとして介護の現場に携わっていて、とても納得する内容でしたのでご紹介するとともに、今の介護現場の大変さも語りたいと思います。

まず結城先生は、いずれ介護が必要になるときに備えて「高齢者自身も意識を高める」ことが必要だと指摘します。よく「自助努力」が強調されますが、自助とは自分(自費)で何事もできる限りこなし公的サービスに頼らないという意味ばかりでなく、むしろ公的サービスをうまく利用しながら自己実現を図り人間らしく暮らせる意味もあるとして、「老後の家計状況なども考え計画的に生活習慣を変えることも必要である。また、人間関係の構築にも心がけ、周りの人との関わりも大切にしていくことが重要である」と説きました。まさにシーズネットの会員の皆様が心がけていることではないでしょうか。

そして、このポイントは「サービスをうまく利用する」ということで、その極意はサービスを提供する人との人間関係(コミュニケーション)を良いものにする=「支えられ上手」になる、ということです。サービスを提供する側も人間ですから、より良いコミュニケーションを築くことができたら、やはりサービスのホスピタリティは向上するのではないでしょうか。公的サービスだから「なんでもやってもらってあたりまえ」といった認識で利用している利用者も少なくありません。ヘルパーをまるでお手伝いさんのように「あれをすれ、これをすれ」といって、介護保険では禁止されている行為(大掃除など)を強要する方もいますが、こうしたことが続くとヘルパーさんが疲弊して辞めていく、という例も実に多いのです。ヘルパーが慢性的な人手不足になっている原因の一つです。また、国は、ヘルパーの人材不足や費用面の抑制などから、軽度の生活支援(ゴミ出しや環境整備など)をボランティアや地域の人たちにお願いするという仕組みづくり(介護予防・日常生活支援総合事業)を始めていますが、ボランティアや地域の支援は、人柄の良い高齢者には喜んで支援しますが、性格の悪い高齢者は取り残されてしまいます。

こうした実情に危機感を抱いた結城先生は、「介活」という言葉を使用して「介活」による利用者啓発に取り組む必要があると訴えます。今介護サービスを利用している方に変容の努力を求めることはなかなか難しいもので、むしろこれから利用する方へのメッセージが大事でしょう。

その「結城康博から介活6か条の提言!」は、①要介護者になったら「支えられ上手」に、②介護サービスは「口コミ」が大事、③元気なうちから親子で「介護」を話す、④相談できる人や機関を確認しておこう、⑤かかりつけ医を持つこと、⑥70歳まではアルバイトでいいので働こう、というものです。

私も、いつも「見守られる側も努力を」と訴えていますが、共通するものが多くあり、「介活」には大いに関心を持ちましたのでご紹介しました。

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