
NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人
私たちの暮らしを守る医療や介護、福祉の制度は、税金や保険料、そして利用者の負担によって支えられています。しかし、少子高齢化が進む今、その財源を安定的に確保していくかは、避けて通れない大きな課題となっています。そこで厚生労働省は、地域包括ケアという考え方のもと、財源構造も含めた支えあいのありかたを「自助・互助・共助・公助」という四つの枠組みで整理しています。
- 自助とは、健康管理や介護予防といった自助努力を指しますが、介護が必要になった場合でも自費サービスや民間保険を活用するなど、要するに社会保険に依存せず自分で支える力も含まれます。
- 互助とは、家族や友人、近隣住民などによる自発的な支えあいのことで、たとえば、ゴミ出しの手伝いや見守りなど困りごとを助けることや、地域のサロン活動などがあげられます。
- 共助とは、医療保険や介護保険など、国民が保険料を負担している社会保険制度のことで、病気や介護などのリスクに直面した際に、安価で専門家の支援を受けられるしくみです。
- 公助とは、自助・互助・共助では対応しきれない生活の困難に対するセーフティネットのことで、生活保護や福祉など税金を財源に国や自治体が責任をもって生存権を保障する最後の砦です。
これらの中で、大きな課題となっているのが互助の活性化です。共助や公助の財源が厳しさを増すなか、財源のかからない「地域でのおたがいさまの力」があらためて注目されているのです。けれども、地域のつながりが弱まる中、かってあった隣近所の助けあいの再生は容易ではありません。だからこそ、私たち一人ひとりが地域の当事者として、「どんな支えあいなら今の時代にマッチするのか」を考えていきたいものです。
多分、これからの地域の支え合いは、町内会や地区社会福祉協議会などと連携したうえで、志のあるNPOなどが有償的なサービスを展開することが重要なのではないかと考えています。財源的には自助(安価な利用者負担がある)と互助(支援団体が儲かる仕組みでない)のミックスともいえるかもしれません。
私が代表を務める(札幌市在宅福祉活動団体ネットワーク(通称:在福ネット)は、こうした課題意識のもと、共助や公助だけでは行き届かない部分を補い合う団体が連携して立ち上がりました。在福ネットの取組は、これからの地域における新たな支えあいの一端を担う存在となることでしょう。財源のない団体のため、志のある方のご寄付をお待ちしております。
さて、前回の巻頭言でもふれましたが、しつこくもう一度PRします。今年のシーズネット市民公開講座は、松永俊之さん(元HBCアナウンサー)をお迎えして、松永さんの縦横無尽なトークでお楽しみいただきたいと思います。松永さんは、自らも身体にハンデを背負いながら、市井の人に寄り添い励ましてくれる語り部で、その軽妙な語り口は、多くのファンに愛されています。松永さんの酸いも甘いもかみしめた「花も嵐も踏み越えて、人生まだまだこれからだ」というお話は、きっとあなたの明日を元気に彩ってくれると思います。3月19日(木) 13:30~15:00にエルプラザ3階大ホールで行います。参加費は500円で、申し込み不要です。皆さんと会場でお会いしましょう!


