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5月 01

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サークル活動のこれからに期待

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

シーズネットは、皆さまご存じのように、岩見前代表(創設者)が、2001年6月に「仲間づくり」「居場所づくり」「役割づくり」をミッションに掲げて活動をスタートしました。このうち「仲間づくり」はサークル活動として具現化され、同年9月には早くも15のサークルが立ち上がっています。

今思うと岩見さんの先見性に脱帽します。厚生労働省が、団塊の世代が後期高齢者になる2025年(今年でした)に向けてどっと増える高齢者の「生きがいづくり」が大事としたのが、2006年の地域支援事業が皮切りですから、岩見前代表はその5年くらい前から提起していたのですね。そういう意味では早々とその実践にチャレンジしてきたのが我がシーズネットといえるでしょう。

その中でも、一番大事なのは「仲間づくり」だと思います。居場所づくりや役割づくりにせよ、仲間との協働作業で初めて形になるものですから、まずは仲間づくりからのスタートです。もちろんやみくもに仲間を募るわけにはいきませんので、今のシーズネットのサークルづくりのやり方が適していると思っています。すなわち、「皆さんと一緒に〇〇を楽しめたらなあ」と思ったらサークルを立ち上げるために通信などで仲間を募集する、そして集まった方々にサークルの方向性を示し、運営方法などを決めてサークル活動を始動する、というパターンです。こういう取組みがシーズネット開設以来綿々と受け継がれて、今のサークル活動があると思っています。

そのようにシーズネットの活動をずっとけん引してきたのは、サークル活動であることは間違いありません。サークルの活動が活発になることで仲間が増え、仲間が仲間を呼ぶという好循環の中で会員数も増え、シーズネットは大きく成長してきました。ある意味、その証拠を見せつけられたのがコロナ禍です。コロナ禍でサークルが開催されない時期が長くなることで脱退者も増え、何より新規の会員数が減少し、会員数も大幅に減少しました。このことから、会員になることへの動機づけのNo.1はサークル活動への参加だったことが明白になりました。コロナ禍が収まりつつあるこの頃は、徐々にではありますが会員数は増加傾向にあります。

ただ、代表者が健康上の理由で辞めると、そのあとの担い手がいなくなり廃止せざるを得ないというサークルがこのところ増えてきました。そこで、代表者が交代できる組織運営が望ましいということから、この4月から代表者という肩書を廃止し世話人という形にし、世話人は交替制にして、役割を分担していく方向を目指すこととしました。併せて「推進会議」は「サークル会議」と名称を改めました。また、サークル会議にはサークルの構成員の誰でも出席できることとし、世話人の負担を減らすこととしました。ただ、サークルそれぞれの成り立ちがあるものですから、一律に世話人の交替制の導入とはいきませんので、それができるサークルから始めていこうという方向性を目指すこととしたものです。

サークルに集い仲間と交流し趣味を広げられることは、まさに「教育(今日行く)」「教養(今日用)」を高める社会参加のお手本です。今後のサークル活動に大いに期待したいと思います。

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