NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人
この頃、巻頭言では固い話ばかり書いていたので、たまにはゆるい話もしたいと思います。
シーズネット三重から送られてくる「かわらばん」は、こちらの通信みたいなもので毎月発行されています。それぞれの記事のタイトルにはクレヨンでさっと色が塗られて手作り感が感じられ、受け取った方もなんとなく暖かい感じになります。その「かわらばん」に毎月、会員の川柳が載っていますが、これがとても面白いので、いくつか紹介しながら私なりの感じたこと(龍)も述べましょう。
- 「眠れない そのうち永遠(とわ)に眠れます」(歌姫)
(龍)年を取ると眠りが浅くなりますよね。私も「バタンキュー」はしばらく経験していません。眠りにつくまで長くなってきたり、途中で覚醒するとそのまま眠れないということがしばしばあります。そのうち永遠に眠れることは間違いありません。あまり早くそうなりたくないですが。 - 「100歳まで 生きると思うと 気が重い」(メダカの子)
(龍)講演などで「人生100歳」と言っている私としては「うーん」というしかありませんが、確かにあと20~40年も生きるのかと思うと気も重くなりそう。だからこそ、気を軽くするシーズネットの活動が必要なんだと思うのです…… - 「一人でも 行ってきますと 靴を履く」(チララ)
(龍)この句は一人暮らしの寂しさだけではなく、一人暮らしの楽しさも、心の内にある方への想いも含んでいるような気がしますね。一人暮らしになっても「ただいま」といって誰かに声掛けたいなあと思いました。 - 「我が庭は 緑がいっぱい 雑草で」(モーちゃん)
(龍)年を取るとだんだん身の回りのことができなくなるか億劫になるものですが、この方は元気な頃はとてもきれいに庭を手入れしていたことでしょう。それが偲ばれるとともに、SDGsなどの環境啓発にもチクリとした滑稽が感じられます。 - 「夏長く 秋短くて 冬長し」(ゲン)
(龍)その通り!北海道も三重も地球温暖化の影響は同様ですね。 - ダイエットしたのと訊きたいこの秋刀魚(モーちゃん)
(龍)川柳特有の滑稽がうまいなあと感じます。この句のとおり、大きな秋刀魚は見なくなりましたね。
さて、三重ばかり取り上げていると会員から文句がくるのではないかと、我が北海層のシーズネットの仲間の川柳も披露しましょう。 - 「新しい仲間づくりに若返り」(昔の乙女)
(龍)まさにシーズネットの目指すところを簡潔に表現してくれました。座布団10枚! - 「薄墨の過去の夢から恋の色」(浜正吉)
(龍)うーん。俳句とも言えそうで季語が無いから川柳かとも思いつつ、何となく、青春時代を思い返す感じの句ですね。光り輝いていた青春は薄墨色の過去になっているけど、過ぎ去った日々を振り返ってもその時のときめきは色褪せないよねえ……
とまあ、雑駁に紹介しましたが、シーズネットでは他にも五行歌や短歌なども活発で、自分の想いを何らかの文章にして表すことは、自分が活き活きと生きているしるしとも思います。川柳など形式が決まっていると表現すること自体がとっつきやすくなりますので、皆さまも一日一句取り組んではいかがでしょう。「いい感じ!」と思ったら、是非、通信に投稿してください!