NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人
ようやく朝夕が秋らしくなってきました(北海道だけですが)。実りの秋を迎え、9月12日にはシーズネットの収穫祭ともいえるシーズネット祭りが開催され、昨年を大幅に上回る223名ものご参加をいただきました。各サークルの溌溂とした発表や日々の活動を細やかに紹介した展示はとても充実していました。改めて、参加者の方々、企画進行を担った推進会議他のメンバー、そして、昨年の6倍にもなる56,110円もの寄付金をお寄せいただいた方々に深甚の感謝を申し上げます。
そして9月16日は敬老の日ということで、恒例の100歳以上の方の人数がマスコミで報道されました。全国で95,119人(うち女性が9割)の方がセンテナリアン(100歳以上の方を指す言葉、センチュリー=1世紀、と同じくラテン語が語源)となったそうです。50年前の1974年には527人だったそうで、爆発的な増加ですね。日本は人口当たりのセンテナリアンの数が世界で最も多い国だそうで、長寿の国と言えます。
実際、シーズネットが設立されたころは「人生80年時代」と言っていましたが、今は「人生100年時代」というのが定着していますね。定年も当時は60歳だったのが、65歳義務・70歳努力義務というように伸びています。2023年の統計では4人に1人が65歳になっても仕事を続けていて、75歳以上で働いている人の割合も11.4%で過去最高となったと、やはり敬老の日のマスコミ報道がありました。その結果、日本で働く人の約7人に1人が高齢者ということになったそうです。特に医療・福祉分野での就業が増えているそうで、この分野は人材難が顕著ですから、高齢者になっても働き続けていただきたいという傾向が強くなってきています。特に、ヘルパーは若い人がほとんど入職せず、平均年齢55歳近くで、4割近くが60歳を超えているという状況です。
長寿は歓迎すべきことですが、誰もが寝たきりになってまで生きたくはないなあと思っているのではないでしょうか。しかし、突然死でもない限り、誰もがいずれは介護を要する生活を送ることになります。かといって家族には迷惑をかけられないし、などの思いもあるでしょう。
そのために生まれたのが介護保険です。介護保険は2000年にスタートして、民間参入を認めたこともあり、介護サービスが爆発的に増えました。また社会保険となったので、保険料を払っているという意識もあり、利用者も2022年には516万人になり、2000年からは3.5倍の伸びです(高齢者人口は1.7倍の伸び)。そのため、介護保険の費用も2022年には11.6兆円と膨らみ続け、当然保険料も高くなり続けています。一方、介護人材が不足していることなどから、廃止する事業所も増えてきております。増えてきているのはサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなどで、そちらに人材が流れている状況でもあります。
このようなことを考えると、やはり、健康を保ち健康寿命を長くしたいと誰もが思うことでしょう。敬老の日に改めて、行く末を考え、フレイル(虚弱化)予防に心がけることを心に刻みたいと思います。
シリーズで開催している「これからの暮らしのアドバイス」(チラシ参照)は、そのような心構えを、様々な専門家がひも解く内容となっておりますので、ご興味のある方のご参加をお待ちしております。