はらりひとつ白き芍薬 地に舞ひて
我にすべ無き兄は逝きまし (本田 征子)
暖かきカフェに寄れば楽しげに
フランス語を話す若きらの声 (小西 和子)
豆苗の生命力の味のよさ
みつおの書人の心が生きている (田村 ノブ子)
年重ねしわの出始め丸く生き
老鏡の鏡の表裏もある (浜 正吉)
AI開発者
人間を苦しめるとは
つゆ知らず
繰り返す人間の愚かさ
戦争に使われないこと祈る (ひろ)
凍てつく日
暗きの中で
揺れ止まず
まだまだ続く
能戸路は哀し (福栄眞理子)
文字の形が教えること ~「愛」について~
私は以前こんな話を聞き、今も記憶に残っていることがあります。それは、文字の形には何か意味深いことがあります。例えば、「愛」の文字を分解してみると、「心」と「受」と{ノ}になります。ここで問題なのは「ノ」に意味があると言うのです。「愛」は「心」と「受」の組み合わせは当然としても「ノ」を考える人は少ないでしょう。それには、こんな事例があります。
ここに若夫婦がいて夫が出勤時、何も言わずに夜食して帰宅したとき、苦労して作った夕食を食べない夫に「どうしたの、私があなたのために苦労して作った夕飯を食べてくれないの」と当然妻が怒るでしょう。
その時、夫は言うことがあります。「ああそうなノ、ごめんね。実は帰宅直前、顧客がやってきて、重要な仕事の話を長々として、二人で料亭で夕食を共にしたんだ、すまなかったね、ごめん、ごめん」と謝れば、その場は一応収まることになるでしょう。その場合、直接「俺だって仕事で忙しいんだ」と言えば、そこで夫婦喧嘩になるのは必定です。
「ああそうなノ」とひと息入れたうえで実情を説明すれば、その場は何とかうまく収まることになります。
本当に、「愛」という文字には含蓄がありますね、このほか、文字の形には色々考えさせられることが多々ありますよ。 (村田 忠(シーズネット京都))
牡丹雪光輪のごと運河の灯
杖一つ五感に加え雪げ道 (川口 昭治)
町うらら久しの友とランチかな
仕事終え空見仰ぐれば冬の月 (渡辺 セツ子)
色褪せた
思い出も
映像の中では
弾けた笑顔
満腹な心 (山本 満里子)
私は嫁です
もう80近い
にも拘わらず嫁です
家と紐付きの
女です (菅 妙子)
趣味と発明と数学と
私は現在77才、ずっと独り身なのでいろいろな趣味を楽しんできました。
読書(2000冊)、囲碁(2段)、カラオケ(歴47年)、発明(30数件)、太極拳(奥伝)、社交ダンス、フリーセル(パソコントランプゲーム)などなど…
カラオケは、東京のサラリーマン時代に会社の先輩から強制的に歌わされたのが始まりで、その後ナツメロを主体に歌ってきましたが、最近は洋楽にハマって歌の会で楽しんでいます。ストレス解消にはもってこいですね。
発明は、出張の時に買った発明本がキッカケで、その後紆余曲折を経て今は発明コンサルタントとして、発明相談所(発明工学会)を開いています。
課題が解けると眼前の霧がすーっと晴れて気分爽快です。
昨年の10月、テレビで「笑わない数学」を見ていたら「コラッツ予想」という80年以上未解決の数学難問が紹介されていました。
「ある整数が奇数の時は3倍して1を足し、偶数の時は2で割るを繰り返すと必ず1になる」というもので、103まで電卓片手に計算したらその通りになりました。(27は121項目に及び。コンピュータでは兆を超える数まで確かめられています)
今は頭の体操として日夜取り組んでいます。
ちなみに、日本のある企業が最初に証明した人に懸賞金をかけており、その額は1億2000万円です。(山本修一(サイト:発明情報館))
- デジカメはどんな亀かと祖母が訊く
- この頃は話も入れ歯もかみ合わず
- 景色よりトイレが気になる観光地
- お迎えはどこから来るのと孫がきく
- 目には蚊を耳には蝉を飼っている
- 探しものやっと探して置き忘れ
- うそ言うな金は天下の回りもの
- 三時間待って病名は「加齢」です
- 世辞の句なかなか出来ぬと長生きし
- おい! おまえ! いつしか妻の名を忘れ

澤田 信子