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8月 01

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会員の広場(2019.8)


俳句

虫の秋湿原の奥さんご草
 盆踊り旧知の人や車椅子 (川口 昭治)

短歌

苦しき心言葉にならず歌に詠みしが
 十首選に挙げられたりき (本田 征子)

川柳

持つべきはマルチ息子がありがたい
 模様変え玄関までも絵を飾る
  毎日の散歩で笑顔連れてくる (ホヤレイ)

幸せの在り処を探す老いの欲
 壁ひとつ崩し切れない愛がある
今迄もこれからもある残る悔い
 夢重ね時を重ねて日々暮らし (浜 正吉)


五行歌

心の栄養が失くなった
愛されること
誉められること
必要とされること
身体が泣いている (塚下 健太郎)

痛みを
こらえて
歩く
今できること
したいから (管 妙子)


エッセイ

手稲昨今

私が、手稲という町を知ったのは何時のことだろうか?

小学生のころ、手稲駅は軽川と呼ばれ,駅のホームでは、駅員の軽川の連呼が聞こえていた。乗客は、小樽から札幌へ通勤するサラリーマン、通学する学生、ガンガン部隊と称する出張販売のおばさんも結構いた。軽川とは、後に知ったが、近くを流れる軽川にちなんだものだった。昭和27年手稲町発足の翌年、国鉄軽川駅は、手稲駅と名称が変更となった。戦前にできたログハウスづくりの駅舎は、当時としては珍しいものだったのだ。新駅舎建設とはいえ、何故残せなかったのだろう?

私は昭和41年から仕事の関係で、よくこの町を訪れることが多かった。駅を出ると左側が、飲食街、右側が運送会社、木材会社、旅館が並ぶ。駅正面の坂道を登っていくと、国道5号線を横切りさらに登っていくと手稲山の登山口に到着する。

手稲は、札幌市と合併はしたが、歴史は古いのに札幌市内でも田舎だった。私はこの町へ住み始めて47年目を迎える。その間に色々なことがあった。札幌冬季オリンピック、札樽自動車道開通、平成元年西区より分区、手稲区創立今年で30年、小樽薬科大学の手稲への移転、地下鉄の手稲への延伸延期、北口一帯の再開発、南口一帯にあったスーパーの撤退。今手稲は、駅正面の南側と駅裏の北側の格差が進み、古くから開けた南口一帯が寂れ、北口から北海道科学大学まで一体が人口も建築物も増えて続けている。

更に北側では、スーパーが乱立し過当競争が激化している。同じ区でありながら、この差は何故だろう!

いずれにしても縁あって住み着いた町が、この先札幌市を引っ張って行く様なすべての面での、モデル地区になることを願っている。 (小林 貴光)

「紫陽花の頃」

早々と桜も散って、一年の半分が過ぎてしまった。この半年の間に楽しい日々もあったが、未完の事の方が多い。生き生きとしかも伸び伸びと生きてゆくのは、年齢を重ねる毎に難しいことである。

昨年七月中旬、紫陽花が湖の周囲に咲いている中島公園に出かけた。若いカップルがボートに乗って、楽しげに何か話している。離れてもう一隻、友人同士三人の女性の笑い声も届いてくる。晴天続きのこの日は、まん丸な紫陽花が淡いベージュとコバルトブルーの色彩が見事であった。湖のまわりにその群落が数ヶ所あり、森の深い緑と美しく調和していた。

今年の七月初旬は雨が多い。静かに雨の中に咲く紫陽花は、黙って現世を見つめている。 (浮草)

熊野古道プチ歩き

三月下旬、中部国際空港から高速船で伊勢湾を渡り約1時間弱で津市へ(途中右側前方が二見浦です)。桟橋前からバスに乗り、伊勢神宮外宮参道前に到着した。名古屋経由の電車旅行より所要時間は早いです(おまけに、二見浦を遥拝できます)。

外宮、内宮、二見浦(浜参宮)、二か所の別宮を参拝・朱印を頂き(2日間滞在)、電車で紀伊勝浦に到着した(宿泊)。

紀伊勝浦からバスで那智駅前に到着。駅を背に国道を横切り、熊野古道を歩きだす。中辺路・伊勢路・大辺路の分岐点を示す振分石が右側にあり,その奥に、補陀洛寺と浜の宮王子(熊野三所大神社)があるので参拝する。

旧道を進み、県道に出たところに川関道標が立っている。そのまま旧道を進み、「曼荼羅のみち」の石標で右折し長谷川を渡り、杉林の沢の小道を歩く。北条政子の供養塔を過ぎて旧道に降りて、那智川を渡り、県道を横切ると、いよいよ大門坂である。

振ヶ瀬橋を渡ると樹齢800年と言われる夫婦杉の巨木の間を通り、全長約500m、標高差約100mの苔むした石畳みを登る。途中、那智の滝が見える場所で一息をつく。駐車場を横切り、土産物屋が並ぶ急な石段を登りきったところが、熊野那智大社である。門を隔てて西国三三観音霊場一番札所青岸渡寺がある。両方を参拝・朱印を頂く。熊野那智大社のご神体である、那智の滝まで降り、滝と飛瀧神社に参拝する。

全行程約7km、約2時間半の熊野古道プチ歩きは終了です(ビールをグイッ)。 (沖野 孝)


絵手紙教室

(本田 征子)

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