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7月 01

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会員の広場(2019.7)


短歌勉強会

いつからが老人と云うや百時代
七十八十 まだ壮年期 (土橋 芳星)

ピアノ弾くコンサートホールの乙女らは
音を奏でて今華となる (瀧沢 いつ子)

ゆきみぞれ桜花びらふるわせて
 令和令和と気持ちみだれし (斉藤 邦子)
 
知識また一つ覚えて一つ消え
 老いとは云えど募る悔しさ (福栄 真理子)

大振りの雪のごとくにふわふわと
 空にふるふる万の花びら (中浜 敏明)

「今ハワイ」一人スマホか声高く
 北の地下街若者が行く (中村 あき子)

残雪の十勝連峰迫りくる
 丘に孤高の後藤美術館 (中山 寿子)


俳句

夏木立かけ抜けて行く下校の子
秘境から一気に海に滝しぶき (川口 昭治)

五行歌

今度は彼女が
オールを握っている
 さっきは彼が漕いでいた
 若くはない二人連れ
 なんか 恋 模 様 (福栄 真理子)

 母の枕元
 寝たきりに
 なるかも知れない
 励ます言葉は
 空回り   (寺島 しのぶ)


エッセイ

出会い  心のふれあい

日々の生活を繰り返す中、皆様も思い出に残る「出会い」心が動かされる脳裏に残る言葉などがあると思います。私も過去心に残る出会いがいくつかあります。今回は一番最近のお話しをさせて頂きます。

確か3年前の2月の雪深い日だったと思います。出かける為バス停まで一方通行の狭い道路を通ることにしました。(近道なのです) 左右の足が並んで立っていられない位です。右・左・右・左とバランスを崩さぬように歩いておりました。ふと前を見ると3メートル先位の電柱につかまってしゃがんでいる高齢の男性が目に入って来ました。あ! 具合が悪いのか転んだのか、私は急いでその高齢の男性に近かずき、「どうしましたか~大丈夫ですか~」と問うと男性は「失敗した、タクシーにすれば良かった」とか細い声で・・・
病院へ向かう途中だったようです。

あの狭い道幅でステッキで歩くのは無謀かな・・・と思いつつ男性と必死で腕を組み歩いていると後から「大丈夫ですかー」と、振り向くと車の窓から顔を出している男性が、「一方通行で車が並んでいる為止まることが出来ないので広い道路で待っています」と、到着後事情を説明すると彼は「あなたはバス時間があるでしょう。私はまだ時間があるので病院まで送りますよ」と言って下さいました。高齢の男性は何度も私に頭を下げておりました。私も彼に「ありがとうございます」と頭を下げ、彼は「いずれ我々もお世話になる時が来るかも知れないしね・・・」と笑みを浮かべて病院へ向かって下さいました。
人と人の温かなつながりを感じ心が温かくなりました。 (撫子)


絵手紙教室

(江崎 弘子)

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