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5月 22

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「終活を考える」

NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

5月19日の北海道新聞朝刊の家庭欄に、「終活団体、道内で続々」という見出しが載った。記事の内容は、道内で終活を行っている団体の紹介と、それぞれの団体が受けている相談の内容である。ちなみに「終活」という言葉になじみのない方もいるだろうからちょっと解説すると、いわゆる終末期を迎えるにあたって様々な始末が必要になるわけで、それらをまだ元気なうちに段取りをつけておくという活動のことを指す、といわれている。具体的には、相続、遺言、成年後見、お葬式やお墓じまい、遺品整理などが挙げられる。

記事では、団体は19団体が紹介されている。そのうち12団体が札幌市にある。我がシーズネットの姉妹NPOの「あんしん住まいサッポロ」も名前を連ねていた。それにしてもすごい数である。それだけニーズがあるのだろう。

寄せられる相談内容として多いのは、「お墓じまい」に関する相談だそうである。子どもがいないとか、子どもがいるが疎遠とか、お墓の継承者がいないことが背景にあるのだろう。わが身に振り返っても、お墓のことは悩ましい課題なので、とてもよくわかる気がする。妻と散骨のことなども話したこともあるが、まあそのうちということで先送りするのだが、いざとなったらどうなるのだろうか?明日、ポックリ行くかもしれないし‥‥

また、独り暮らしの方から入院する場合の保証人や相続に関する相談も多いという。統計的にも高齢者の単独世帯は急増していくので、このような相談は増える一方だろう。保証人を引き受けるNPOも増えてきている。

「終活」というとなにやら暗いイメージも沸くが、むしろ自分の人生を振り返りけじめをつけることで、これからの人生を前向きに生きていくことができるのではないだろうか。憂うより憂いを少なくして、これからのことを考えたい、と思う。

シーズネットでは、「終活」をこれからの人生を創造するという「創活」として銘打ち、一昨年に札幌の地下歩行空間(チカホ)で「創活イベント」を実施したことがあるが、大変盛況であった。終活と何の関係があるかわからないフラダンスなども出演し、好評であった。そこには終活を楽しむという発想があるし、シーズネットらしいごった煮のいい加減さも隠し味になっていたのだろう。また、小樽市で船に乗り、海への散骨の体験ツアーを行ったこともある。会員の皆さんからのご要望があれば、シーズネットとしても終活イベントやセミナーなどを今後も企画していきたい。

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