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6月 22

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互助と「地域家族の時代」

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NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人

去る5月27日に、札幌市民ホールにて平成27年度の通常総会が開催されました。今回はセミナーを同時開催しなかったにもかかわらず、70名もの会員が参加してくださいました。また、いろいろと貴重なご意見をいただき、大変嬉しく思っております。NPO法人は皆が会費で支えている法人ですから、意見を活発に言い合うのが健全な法人運営に欠かせないことでしょう。いただいたご意見は、運営会議で原案を練って理事会に諮ることとします。
さて、今年度の活動方針に故岩見代表が最後まで説いていた「地域家族の時代」の理念をさらに推し進めると掲げさせていただきました。おりしも、今年度の介護保険の改正で強調された「地域包括ケアシステム」は、ケアを担う主体を「自助・互助・共助・公助」という分類に分け、これからは市町村が互助(地域の住民やNPOなどが支える)の仕組みづくりをすることを目標として掲げました。岩見さんがずっと前から説いていた互助による地域づくりを、遅ればせながら国がどこの市町村でも取り組めという大号令をかけたといっていいでしょう。この取り組みがうまくいくかはかなり疑問符が残るところです。岩見さんの発想は市民が主人公となって創り上げていく地域社会であって、お上が号令するような形では主体性はなかなか育たないと思うのです。
とはいえ、互助のシステムが機能するようにならないと差し迫る超高齢化社会を乗り切れないことも事実です。私どもは、お上からの号令を待つのではなく、今まで通り進めてきた市民の自発的な意思による地域の支え合いの仕組みを一層充実させていこうと考え、活動方針に「地域家族の時代」の理念を位置づけさせていただきました。
今年度から取り組む「認知機能低下予防事業」や「生活支援事業」、また、サロンやサークルなどを一層充実させ、シニアの社会参加と社会貢献の一助になるよう歩んでいきたいと思います。

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