NPO法人シーズネット理事長 奥田 龍人
シーズネットでは、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の助成金を受けて、配食・共食サービスを1月~3月にかけて実施しました。
このサービスは、ボランティアが配食お弁当を持ってご利用者のところを訪問し、一緒にお弁当を食べるというものです。支援を要する方とお食事を一緒に食べることを通してコミュニケーションを図り、閉じこもり防止に役立てようという狙いです。西区をモデル地区に週2回、月曜日と木曜日のお昼ごはんの時間帯に実施しました。
実際に利用された方は9名でボランティアの方も9名でした。ボランティアのうちシーズネット会員は3名でした。途中で止めた方が3名いまして、その理由は「ボランティアと話があわない」、「ご飯が好みではない」、「ご飯を食べるのに時間がかかり、ボランティアに気を遣う」などでした。ずっと続いた方は、ボランティアとの相性がよかったようで、楽しい時間を過ごせたという感想をいただいています。
課題としては、やはり他人を自宅にあげるということ自体に抵抗感がある方が多いことがわかりました。
ボランティア宅に利用者が訪問するという方法で行ったところは、スムーズでした。このサービスが必要と思える閉じこもりがちの人にあまり導入が進まなかったことについて、ケアマネジャーに聞いてみると「必要だなと思う人の多くは人を呼べるような部屋ではないので、勧められなかった」という答えがありました。こういうところに手の届くサービスを考えていかねばと、改めて考えさせられました。
また、2月末にはハツキタ商店街で会食会も行い、利用者やボランティア、関係者など20名が参加、鮨職人さんと奥様がボランティアで握りたての生寿司を提供してくれまして、大好評でした(西区役所ホームページの西区ニュースに載っています)。
今後は、①今、シーズネットで取り組んでいる傾聴ボランティアの1つの形態として、要望があれば食事を介在した傾聴ボランティアを実施することと、②再来年からはじまる日常生活支援総合事業の中で、ヘルパーさんが調理をして作ったものを一緒に食べるような事業に発展させていきたいと考えています。